私たち年寄りが日々を明るく生きていくためのヒント・・・【情熱的読書人間のないしょ話(1998)】
ジュウガツザクラ(写真1)、コブクザクラ(写真2)、キンモクセイ(写真3~7)、サンパラソル・アプリコット(写真8、9)、アメリカフヨウ(写真10~15)が花を咲かせています。
閑話休題、『一人暮らしパラダイス――弘兼流 熟年世代の「第二の人生」』(弘兼憲史著、大和書房)のおかげで、日々を明るく生きていくヒントがいくつも得られました。
「人と比べることでウジウジと悩んだり、気に病んだりしているよりも、刹那主義でいいとは言いませんが、僕のような年齢になったら、とにかくいまを楽しく生きることが一番だと思います。『きょうも生きることができて幸せだった。明日も生きられるかな。もし、あさっても生きていられたらすごくラッキーだ』と思って、一日、一日を充実させて生きたほうが楽しいと思います」。
「僕が最近、興味があるのは、僕よりも年上の世代の人です。75歳とか、80歳くらいの人に、自分の将来の姿を見ている気になります。・・・年上の人と付き合うことで、『この人のような歳のとり方がいいな』と思えるような、自分の数年先のサンプルを探す感じになります。これは面白いことだし、元気が出てきます。歳をとってくると、自分よりも下の世代を気にし始めますが、下の世代と比べてしまうと、ほとんどのことで負けてしまいます。『元気でいいな。俺も昔はこうだったのに・・・』と、ついがっかりもするし、しなくてもいい嫉妬もしてしまいがちです。それに対して自分より年上の人を見ると、『まだまだ大丈夫だ』と、元気をもらえます。ですから、60代の方なら70代の人と、70代の方なら80代の人と付き合えば、自分の生きる手本にもなるし、自分の将来を重ねることもできます。本当に学ぶことがたくさんあるし、こちらがその気だとわかると、向こうもいろいろな話をしてくれます。若い人に媚びているヒマがあったら、年上の人に学んだほうが、生き方でも、考え方でも自分のためになります」。
「中高年に限ったことではありませんが、生活をしていくなかで何となくサエないときがあります。これといってはっきりした原因は見当たらないのですが、何となく元気がなく、何をやっても楽しくないというか、うまくいっていないような気がすることがあります。それは、一種のスランプのようなものです。そういうときには、リセットするという意味で、思い切って何かを変えるとか、それまでやったことのないことをやってみてはどうでしょうか。たとえば、これまでは朝起きたらすぐに歯を磨いていたものを、朝食を食べてから磨くことにするなど、日々のルーティンをちょっと変えるだけでもリセットの効果があると思います。少し大げさな言い方になってしまいますが、それだけで価値観やモノの見方が変わってきます。クヨクヨしているときに星空を眺め、広大な宇宙に想いを馳せていると、アイツに50円貸したのに返してくれないとか、同じアジフライを頼んだのに隣の客のほうが大きかったとか、そういうくだらないことを忘れるのと同じです。貸した50円やアジフライの話はさておき、寝る時間をちょっと変えてみるだけでも、考えようによっては大きな変革になります。・・・マンネリやスランプを感じたら、そういうふうに新しい刺激を入れることです。歳をとってくると、どうしても頭が固くなりがちで、ちょっとした変化を思いつかなかったり、変化を受け入れることに躊躇したりしがちですが、思い切ってルーティンを変えてみることで、新しい世界が広がります。繰り返しますが、その変化はちょっとのことでいいのです。あまり大胆に変えようとすると、かえってケガのもとになってしまいます」。