年を重ねた俵万智の心に沁みる短歌を味わう・・・【情熱的読書人間のないしょ話(2022)】
千葉・柏の「あけぼの山農業公園」で作業中の職員から、2.2hに100万本植えられているコスモス、キバナコスモスが、チューリップの準備に向けて、11月初めには刈り取られると聞き、昨日に続き今日も訪れてしまいました。キタテハ(写真11、12)、ツマグロヒョウモンの雌(写真13)、チャバナセセリの雄(写真14)、アキアカネの雌(写真15)、セイヨウミツバチの雌(写真16)、トラマルハナバチの雌(写真17、18)、ナミハナアブ(ハナアブ)の雌(写真19)、アシブトハナアブの雌(写真20)が吸蜜しています。因みに、本日の歩数は12,848でした。
閑話休題、歌集『未来のサイズ』(俵万智著、角川文化振興財団)には、俵万智の20132020年の作品が収められています。
●なにすんねんまだ咲いとるわというように小さなトゲを立てる一輪
●島らっきょうの泥落としつつ考えるネギ科の女、イモ科の男
●海の香を焦がさぬように半日の時間煮つめて作る佃煮
●「群(むり)か星(ぶし)」耳にやさしき八重山の音韻で聞く星の伝説
●誰よりも知っているのにああ君をネットで検索する夜がある
●我のため今朝色づける赤イチゴ蟻に食われる前にもぎとる
●人参を抜いて尻もちつく真昼 絵本のような畑に一人
●三月の資源ごみの日きっちりと束ねられたる参考書あり
●地頭鶏(じとっこ)のモモ焼き噛めば心までいぶされて飲む芋のお湯割り
●世界まだ知らぬ息子が暗記するアンデス山脈バチカン市国
●シチューよし、高菜漬けよし、週末は五合の米を炊いて子を待つ
●理系文系迷う息子が半日を「星の王子さま」読んでおり
●子の髪に焚火の匂い新調のダウンジャケット焦がして戻る
●シャーペンをくるくる回す子の右手「短所」の欄のいまだ埋まらず
●ふいうちの「好き」を投げればストライク「ずるい」と言われることにも慣れて
●ひとことで私を夏に変えるひと白のブラウスほめられている
●「死ぬまでの待合室」と父が言う老人ホーム見学に行く
●『失われた時を求めて』未読なり縄文杉への道未踏なり
●生きながら死につつもある人間は勝ちながら負け、負けながら勝つ
●レシピ通りの恋愛なんてつまらないぐつぐつ煮えるエビのアヒージョ
『サラダ記念日』や『チョコレート革命』の俵万智もよかったが、本書に収録されている短歌も心に沁みます。
短歌にあれこれいう説明は要りませんね。好きな歌を声に出して読み上げ、味わえばいいのですから。