気分転換には、本格推理小説の短篇を読むに限りますね・・・【情熱的読書人間のないしょ話(2577)】
【読書クラブ 本好きですか? 2022年5月8日号】
情熱的読書人間のないしょ話(2577)
アヤメ(写真1、2)、ダッチアイリス(写真3)、ジャーマンアイリス(写真4~14)が咲いています。
閑話休題、気分転換には、本格推理小説の短篇を読むに限ります。短篇集『九マイルは遠すぎる』(ハリイ・ケメルマン著、永井淳・深町眞理子訳、ハヤカワ・ミステリ文庫)に収められている『おしゃべり湯沸かし』は、タイトルも内容も洒落た一篇です。
「そのとき、下宿中の静けさが、隣人の湯沸かしの鋭い蒸気の音で破られた」。
ニッキイ・ウェルト教授は、この湯沸かしの音から緻密な推理を組み立て、犯人とその動機まで言い当ててしまうのです。その鮮やかな推理には舌を巻くが、捻りの利いた結末も印象的です。