強くなるために、藤井聡太は、常に考えて、考えて、考える・・・【情熱的読書人間のないしょ話(2898)】
【読書クラブ 本好きですか? 2023年3月24日号】
情熱的読書人間のないしょ話(2898)
イズヨシノ(写真1~5)、ソメイヨシノ(写真6~13)、ハナモモ(写真14)、ボケ(写真15)が咲いています。我が家の庭では、チューリップ(写真16、17)が咲き始めました。因みに、本日の歩数は11,483でした。
閑話休題、私は、照ノ富士春雄の逆境からの復元力、大谷翔平の目標実現への戦略構築力、藤井聡太の理想像追求の持続力――に尊敬の念を抱いています。『藤井聡太はどこまで強くなるのか――名人への道』(谷川浩司著、講談社+α新書)は、期待を裏切らない一冊でした。
「長時間対局で際立つ勝率」、「『藤井曲線』が示す理想の勝ち方」、「常に最善手を求める地力勝負」、「(対局相手は)読みの速さと深さで『二度負ける』」、「長考が地力を育む」、「まだ見たことがない景色(を見たい)」、「強くなるための方法論」など、読み応えのある指摘の連続です。
「結論が出ない序盤においても自分の力で一手一手考え、とりあえず自分なりの結論を出してみる。その時、どれだけ深く、真剣に考えたかによって棋士の進化は決まる。私はそこに藤井さんの強さの核心があると思う。『いままでと違う景色』を見るために、より強くなりたいと願う。強くなるために藤井さんは常に考えて、考えて、考える。もっとも藤井さんの場合は、その結果『連戦連勝』するのだが。・・・将棋であれば、考えて答えを出した場合、それが正しかったか間違っていたかは勝敗という結果としてはっきり示される。しかし実人生となると、そうはいかない。答えが出るまでには時間がかかる。あるいは結局、答えがわからない場合も少なくない。それでも、とにかく考えて自分なりの結論を出してみる。すぐに明確な答えが手にできなくても、自分の力で考えたことは、のちの人生に役立つヒントを与えてくれるはずだ」。