博物館で働く学芸員たちの謎に満ちた生態・・・【情熱的読書人間のないしょ話(2990)】
3歳の今井琥星(ことぶき)君(写真3)が見つけたアズマヒキガエルの幼体(写真1、2)、ニホンアカガエルの幼体(写真4)、琥星君のお母さんが見つけたナナフシ(ナナフシモドキ。写真5)、ノシメトンボと思われる個体(写真6)、オオシオカラトンボの雄(写真7)、シロカネグモ属の一種(写真8、9)、コガネグモの雌(写真10)をカメラに収めました。千葉・野田の飼育施設「こうのとりの里」で、コウノトリ(写真11、12)、孵化して37日目の雛(写真13、14)を観察しました。
閑話休題、『学芸員の観察日記――ミュージアムのうらがわ』(滝登くらげ著、文学通信)では、「山奥博物館」という架空の、割と大きな規模の公立博物館で働く学芸員たちの謎に満ちた生態が詳細に描かれています。
「学芸員という生き物」の章は、写真撮影、歓迎会、巻き段(ボール)、書は人を表す? 誤解、衝突、雑芸員、職業病、不審者、ファッション、月曜日、博物館実習、恋バナ、とっさ、音読み、グッズ、季節の挨拶、若手、同期――といった、きめ細かさです。
「展示をつくる!」の章――抜き身、アウト、雨女、車酔い、アタリ、攻防、色校、納品、複雑な心境、この人、目、1件、誤字、リハーサル、記念、きゅうかんび、いつものこと、業務日報、アンケート、ボリューム、新出資料、作品返却。
「あつめる、しらべる、整理する」の章――礼儀作法、掃除、境界領域、薄葉紙、怖い話、寄贈、恋バナ、作品購入、役得、箱、真の姿、真行草、スナップ写真、見ごろ、単眼鏡、蔵書、判型、豪華版、とある一日、似ている、貝塚、作品名、画題、員数。
「まもって、のこす」の章――揺れ、消火設備、虫、落とし物、温湿度計、60日ルール、照度計、お土産、ギャップ、安全第一、ティッシュ、怖い話、物騒な話、タケノコ、誤解、二重シャッター、エレベーター。
「伝える、一緒に考える」の章――よくある質問、音声ガイド、職人技、コラボ、展示される、ワークシート、成長、チラシ、昔の人。
「ウィズ・マスク」の章――臨時休館、臨時休館延長中、ソーシャル・ディスタンス、マスク、立候補、ハカセ、おうち時間。
それぞれが、4コマ漫画で表現されているので臨場感があり、自分も学芸員の一員になったかのような錯覚を覚えてしまいました。
巻末には、学芸員になりたい人向けの情報がまとめられています。学芸員資格、専攻、博物館実習、就活情報サイト、求職活動、大学院、チリン、発表準備、学会発表、論文投稿、就職試験、におい、質問、なんでもや、オオサンショウウオ、辞令交付、就職――と、手取り足取りの親切さです。