榎戸誠の情熱的読書のすすめ -3つの読書論・ことばのオアシス・国語力常識クイズ(一問一答!)-

あなたも、「11の型」で聴き手をワクワクさせる「よい説明」ができるようになる!・・・【MRのための読書論(220)】

【ミクスOnline 2024年4月19日号】 MRのための読書論(220)

よい説明

「よい説明」には型がある。』(犬塚壮志著、日経ビジネス人文庫)の著者は、「よい説明」とは、聴き手の感情を刺激し、聴きたくなるようにワクワクさせる説明と定義している。

「よい説明」のメリットが4つ挙げられている。

▶伝えたい内容を、聴き手が最短の時間で正確に理解できる。

▶スピーチや自己紹介で「できそうな人だ」、「この人と仕事がしたい」と思ってもらえる。

▶プレゼンや会議で自分の提案が通り、やりたいことが実現できるようになる。

▶初対面の人に「またこの人の話を聴いてみたい!」と思ってもらえる。

11の型

著者が編み出した11の型に話の素材を流し込むだけで、「よい説明」ができるようになると断言している。

▶第1の型=メリット訴求――聴き手を前のめりにさせる特効薬

「『話を聴くメリット』がわかると聴き手は前のめりになる」。

▶第2の型=対比――理解度の大幅アップ

「人は比べることで初めて深く理解できる生き物」。

▶第3の型=因果――腹落ちさせて納得感アップ

「『謎はすべて解けた!!』のゾクゾク感」。

▶第4の型=カットダウン――聴き手の負担軽減

「情報過多は聴き手のストレスになる」。

「聴き手が一発でわかる本質的な捉え方を示す」。

▶第5の型=破壊――説明による「理解のショック療法」

「前半で、聴き手が当たり前だと思っている『常識』を否定して破壊し、ショックを与える」。

「後半で、そこを埋める新しい理論(本来の説明ネタ)をかぶせて再建する」。

▶第6の型=ニュース――食いつき度アップ

「人は『新しいもの』が大好き」。

▶第7の型=希少性――「知りたい欲求」の創出

「世阿弥も認めた『ここだけの話』が持つ威力」。

▶第8の型=伏線回収――聴きたくなる罠を仕掛ける  

「『なるほど!』は『快感』なのだ」。

▶第9の型=決断誘導――聴き手の決断をコントロール

「こちらに都合のよい『前提』をつくる」。

「こちらに都合のよい『選択肢』をつくる」。 

▶第10の型=自己主張――論破せずに「自分」を通す

「『論破する』は百害あって一利なし」。

「『イエス』から始めることがポイント」。

▶第11の型=欠如アピール――「埋まらないもどかしさ」の解消

「『足りていないもの』を人は『埋めたくなる』」。

残念無念

第9の型(こちらに都合のよい「前提」、「選択肢」をつくる)と、第10の型(相手を論破しない)を若い時に知っていたら、私の企業人としての人生は違ったものになっていたことだろう。