2023年に公開された日本鳥類目録第8版に準じた野鳥図鑑・・・【情熱的読書人間のないしょ話(3358)】
2023年12月17日に、200羽ほどのミヤマガラス(写真1~3)の群れに交じっていたコクマルガラスの暗色型(写真4、5)を、長時間粘ってカメラに収めることができました。
『街・野山・水辺で見かける野鳥図鑑(新分類改訂版)』(樋口広芳監修、柴田佳秀著、戸塚学写真、日本文芸社)は、魅力的な野鳥図鑑です。
●330種の野鳥が、それぞれの種の主な棲息環境ごとに分けて掲載されている。
●各環境内の掲載順は、2023年に公開された日本鳥類目録第8版和名・学名リストに準じている。
●類似種同士がイラストで比較され、見分けるポイントが解説されている。
個人的に、とりわけ勉強になったこと――。
●日本鳥類目録第8版では、ヒタキ科がツグミ科とヒタキ科に分けられた。また、37種が新規掲載され、103種の学名が変更になった。キジやホントウアカヒゲ、ハチジョウツグミ、リュウキュウサンショウクイなどの9亜種が種に昇格し、それに伴い分布域も変更になっている。
●コクマルガラスは、これまで白黒の淡色型と全体が黒い暗色型があるとされてきたが、淡色型は成鳥で暗色型は幼鳥である。私が6カ月前に長時間粘って撮影したコクマルガラスの暗色型が成鳥ではなく、幼鳥だったとは!
●セッカは、ヒッヒッヒと囀る繁殖期のオスの口の中は真っ黒。閉じていても嘴の付け根が黒くなるので、肉色のメスと見分けられる。
●亜種から種に昇格したリュウキュウサンショウクイは、近年は分布が北上傾向にあり、関東地方でも観察されている。つい最近、私も東京都葛飾区の水元公園でリュウキュウサンショウクイを目撃した。
●エナガについては、私の地元である千葉県北西部を中心に眉斑の色が淡い、亜種シマエナガのような個体が棲息している。通称「チバエナガ」と呼ばれる不思議な鳥で、正体は不明。