不純物が含まれているので、かえって深みのある味が出ます。･･･【ことばのオアシス（90）】

鮮やかな柿の色を白い磁器に焼き付けることに成功した初代酒井田柿右衛門の子孫・十四代酒井田柿右衛門の言葉。

「ベンガラは岡山県産のものを使っています。昔ながらのものです。不純物が含まれているので、かえって深みのある味が出ます。逆に工業製品のように純度の高いものだと、色は綺麗になりますが味わいがない。このベンガラが生産されなくなり、危機感を持っています。緑青（ろくしょう）などもそうです」と、『新日本永代蔵』（舩松晴雄著、日経BP社）で紹介されている。舩松の「不純物が入っていてかえって味わいのある色が出るというのは、それこそ味わいのある言葉だ。人間にも通用する」というコメントが心に残る。

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