何ら展望なき暴走に向かいつつある原子力推進者たちに対する警告の書・・・【情熱的読書人間のないしょ話(3368)】
【読書の森 2024年6月30日号】
情熱的読書人間のないしょ話(3368)
千葉・流山の斜面林の生物観察会に参加しました。マメコガネ(写真1)、ヤマトタマムシ(写真2)、シオヤアブの雄(写真3)、ショウジョウトンボの雄(写真4)、ムラサキシジミの雌(写真5)、オナガ(写真6)、トビ(写真7)をカメラに収めました。トキワツユクサ(写真8)、オニユリ(写真9、10)、アカメガシワの雄花(写真11)、雌花(写真12)、ネズミモチ(写真13。葉にアオドウガネがいる)が咲いています。ハンノキ(写真14)が果穂を付けています。ヌルデ(写真15)の葉は葉軸に翼があります。緑に囲まれた熊野神社(写真16~18)は静寂に包まれています。因みに、本日の歩数は13,187でした。
閑話休題、『原子力防災の虚構』(上岡直見著、緑風出版)の著者が主張したいことは、3つにまとめることができるでしょう。
第1は、原発再稼働の増加、GX(グリーントランスフォーメーション)を口実とした原発回帰政策、汚染水放出など、原子力を巡る最近の動きを見ると、太平洋戦争の敗戦同様の惨状に帰着することは避けられない。
第2は、これまでは国内の原発での緊急事態の発端として地震・津波など大規模な自然災害が主な関心事であったが、ロシアのウクライナ侵攻などを見ると、原発が核攻撃を受ける可能性も考慮に入れなければならない。
第3は、緊急時の原子力防災の対応策は机上計画としては存在するが、すでに原発が再稼働している地域でさえ、それが実際に機能するのか疑わしい内容が大半を占めており、住民の被曝をどれだけ避けられるかなどの実証性の検証はなされていない。
いずれにしても、原発は行き詰まざるを得ないというのが、著者の明快な結論です。