史的イエスは笑った、4度ならず、大いに笑った・・・【情熱的読書人間のないしょ話(3423)】
【読書の森 2024年8月27日号】
情熱的読書人間のないしょ話(3423)
ミソハギ(写真1)、キツネノカミソリ(写真2)が咲いています。キノコ(写真3)が生えています。我が家の職人(女房)のパッチワークキルト作品が、千葉・柏の「柏の葉キャンパス駅」西口から徒歩2分の「柏の葉カルチャーセンター」で展示されています(写真4)。
閑話休題、『イエスは四度笑った』(米田彰男著、筑摩選書)は、史的イエスは笑わなかったのか笑ったのかというユニークなテーマについて考察しています。
イエスの生涯の言動を描いた正典とされる4つの福音書――「マルコによる福音書」、「マタイによる福音書」、「ルカによる福音書」、「ヨハネによる福音書」――のどこにも、イエスの笑いは出てきません。
一方、1970年代に発見された「ユダの福音書」では、イエスは4度笑っています。
「イエスが生涯かけて身をもって示したこと」は「人間性の回復である。困っている他者、悲しんでいる他者に近づき、他者のために惜しみなく時間を空け、他者の必要をすべて満たしつつ、その人の友人になりなさい」ということでした。
著者は綿密な研究の結果、史的イエスは笑った、4度ならず、大いに笑ったという結論に達します。そして、イエスの笑いは、社会的弱者への共感に基づく、権力者に対する反抗的笑いだというのです。