榎戸誠の情熱的読書のすすめ -3つの読書論・ことばのオアシス・国語力常識クイズ(一問一答!)-

君は、AとBという情報からCという結論を導き出せるか・・・【続・リーダーのための読書論(21)】

【ほぼ日刊メディカルビジネス情報源 2012年11月19日号】 続・リーダーのための読書論(21)

7つ道具

フェルドマン式 知的生産術――国境、業界を越えて働く人に』(ロバート・アラン・フェルドマン著、プレジデント社)は、これからは「7つ道具+1」の時代だと主張している。

7つ道具とは、AとBという情報からCという結論を導き出す「分析力」、逆算して組み立てる「プレゼン力」、意見の違いを乗り越える「人間力」、下品になってはいけない「数字力」、見落としがちな「時間・エネルギー管理力」、「ハブ性」で勝負する「言語力」、自分ブランドで差異化する「商売力」を、そして、+1は、これらの7つ道具を組み合わせて戦略的に動かす「結合力」を意味している。

プレゼン力

「あなたと私は仲間ですよ」、「私たちの願いは同じです」と訴えていくことで、相手の支持を得ることがプレゼンのポイントだと強調している。また、ある問題を知り尽くしている人に対して新しい提案をしなくてはならないときには、「定番」「王道」「常識」は通じない。むしろ、自分の立場から見たら、この問題は何の問題なのかを再定義して、独自の視点で分析することを心がけよ。相手の問題を自分の土俵に引き込むことで、相手にとって価値あるプレゼンが可能になると述べている。

人間力

人間には2種類ある。「なぜできないかを考える人」と「どうやったらできるかを考える人」だというのだ。そして、前者には、「目的には賛成だが、方法が分からないから無理だと言う人」と「目的に反対なので、できない理由を言い立てる人」がいることを知らなければならないとアドヴァイスしている。

時間・エネルギー管理力

時間管理とは、突き詰めれば人生計画だと喝破している。先ず人生の大きな目標をはっきりさせ、その目標から逆算して時間の配分を考えていくことが時間管理の基本だというのだ。そして、著者の勧める「1日を2時間長くする方法」が興味深い。前夜のうちに翌日のスケジュールを立てておくと、翌日の作業効率が大幅にアップするので、1日が2時間長くなったように感じられるというのである。また、「死ぬ前にしておきたいこと」をリスト・アップするという方法も面白い。