本能のままに男性遍歴を重ねたアルマ・マーラー・・・【情熱的読書人間のないしょ話(3709)】
タイサンボク(写真1、2)、セイヨウシャクナゲ(写真3)、アメリカシャクナゲ(学名:カルミア・ラティフォリア。写真4、5)、アマリリス(写真6~9)、ウスベニアオイ(写真10)、カラー(写真11)、ナルコユリ(写真12)、アマドコロ(写真13、14)が咲いています。イロハモミジ(写真15、16)が実を付けています。因みに、本日の歩数は11,698でした。
閑話休題、『芸術の都ウィーンとナチス――アルマ・マーラー、青山ミツコの「輪舞」』(浜本隆志著、明石書店)のおかげで、本能のままに男性遍歴を重ねたアルマ・マーラーという個性的な女性の存在を知ることができました。
本書は、「美貌のヒロイン、アルマ・マーラーの男性遍歴」と「オーストリア=ハンガリー帝国へ嫁した青山ミツコ」の2部構成となっているが、青山ミツコについては予備知識があったのに対し、アルマとは初対面だったので、のけ反るほど驚きました。
アルマ・マリア・マーラー=ヴェルフェル(1879~1964年)の男性遍歴を辿ってみましょう。
●画家グスタフ・クリムトと恋愛関係
●19歳年上の音楽家グスタフ・マーラーと結婚
●建築家ヴァルター・グロビウスと不倫関係、マーラーの死後、グロビウスと再婚
●画家オスカー・ココシュカと内縁関係
●作家フランツ・ヴェルフェルと不倫関係、グロビウスと離婚後、ヴェルフェルと再々婚
●ヴェルフェルとアメリカ亡命後も、自身が主宰するサロンで男性遍歴を継続
アルマは画家、音楽家、建築家、画家、作家と渡り歩き、彼らの才能を開花させた「ミューズ」として、あるいは「魔性の女」として知られています。男性との関係において、愛の主導権は常にアルマが握り、次々と相手を変えていったのです。最後の結婚相手のヴェルフェルは、結婚後も別の男にうつつを抜かすアルマを「本物の魔術師」と表現しました。
著者は、「彼女(アルマ)は男性の仕事の能力を嗅ぎ分けることに長けていた」と記しています。
アルマにとって、こういう男性遍歴が可能だったのは、男性たちを魅了する天性の美貌と豊満な肉体的魅力を備えていたからです。その上、頭がよく教養があり、音楽的才能を兼ね備えているのだから、自分は男性を惹きつけるはずだという強い自信を持っていたのです。アルマは確かに美女と言えるだろうが、私の好みのタイプではないことを書き添えておきます。
アルマは不倫を懺悔したり反省したりしませんでした。アルマ自身の告白によれば、自分の中にもう一人の自由奔放なアルマがいて、それを制御できなかったというのです。
かつてウィーンを訪れた時、アルマのことを知っていたら、ウィーンに対し違う印象を持ったかもしれないと思うと、少々悔やまれます。