脳も炎症を起こすという、驚くべき仮説・・・【情熱的読書人間のないしょ話(3836)】
カラスウリが花(写真1)、実(写真2)を付けています。フジバカマの赤花品種(写真3)、白花品種(写真4)が育っています。ワタラセツリフネソウ(写真5、6)が咲いています。サトヤマキマダラ(写真7)、キタテハ(写真8)、ツマグロヒョウモンの雌(写真9)をカメラに収めました。行き合った親子が釣り上げたアメリカザリガニ(写真10)、その幼生(写真11)です。因みに、本日の歩数は11,799でした。
閑話休題、『脳と免疫の謎――心身の不調はどこからくるのか』(毛内拡著、NHK出版新書)には、驚くべきことが書かれています。脳も炎症を起こすというのです。
本書では「脳-免疫相関(連関)」という新しい考え方が著者によって提唱されており、同時に、世界中の研究の最新成果が盛り込まれているので実証的かつ、かなり学術的な内容となっています。
そこで、著者が読者に伝えたいのであろうということを、蛮勇を振るって私なりに3つにまとめてみました。
第1は、脳も炎症を起こすこと、そして、脳と免疫は密接な関係を有していること。著者は、「脳の炎症仮説」を提唱しているのです。
第2は、脳の炎症、脳と免疫との関係では、これまで、単にニューロンの隙間を埋めているだけで何もしていないとしか考えられていなかったグリア細胞が重要な役割を果たしていること。著者は、グリア細胞は「脳の免疫細胞」とまで言っています。
第3は、「加齢」と「老化」は別の現象と考えられること。
第3に関し、2つの指摘が、とりわけ印象に残りました。
1つは、加齢による脳免疫機能の変調やエネルギー産生能力の低下も慢性的な脳疲労や炎症を助長し、認知症やうつ病のリスクを高めるということ。
もう1つは、最近の研究により、老いることに対して、より前向きな態度を持つ人々は、否定的な考えを持つ人々よりも長く、健康的な生活を送る傾向があることが明らかになっていること。ハーヴァード大学の24年に亘る追跡調査では、ポジティヴな老齢観を持つ高齢者は、ネガティヴな老齢観を持つ高齢者に比べ、平均7.5年も寿命が延びることが示されているとのこと。「実年齢より若いと感じる『主観年齢』を持つ人ほど、実際に寿命が延びたり慢性疾患のリスクが下がったりする研究結果が報告されている」。
私は、何事にも控えめな女房から「自己肯定感が強過ぎる」と非難されているが、めげることなく、毎日を27歳の気分で過ごしています(笑)。
AIは「ニューロンが『シナプス』と呼ばれる接合部で情報伝達をする回路をつくることや、学習や記憶が進むとシナプスの伝達効率が強化されることなど、神経回路特有の非常にシンプルなルールを模したアルゴリズムで動いている」との説明には、大きく頷いてしまいました。