榎戸誠の情熱的読書のすすめ -3つの読書論・ことばのオアシス・国語力常識クイズ(一問一答!)-

池上流仕事術を盗んで、パワフルなあなたになろう・・・【続・リーダーのための読書論(70)】

【ほぼ日刊メディカルビジネス情報源 2016年10月26日号】 続・リーダーのための読書論(70)

池上流仕事術

池上彰の仕事術の基本は、情報の受け手を重視する姿勢にある。『情報を活かす力』(池上彰著、PHPビジネス新書)で、池上流仕事術の一つでも二つでも身に付けることができれば、それだけでも相当パワフルになれるだろう。

情報収集術

●誰かに説明するつもりで情報収集する。「本でも何でもインプットというのは、誰かに説明(=アウトプット)しようとして初めて、自分の頭の中で整理されて身になるものなのです」。
●日々ニュースに接しているときに自分の中にわいた、「なぜ」「どうして」という素朴な疑問を大切にする。
●「自分の考え方に合わない意見」にこそ目を通す。
●「問題意識」を持っていると、情報は向こうから飛び込んでくる。
●ニュースを短く要約する訓練が役に立つ。
●「ニュースの疑問ノート」をつけてみよう。

取材・インタヴュー・営業

●営業も取材も同じ。大切なことは相手に「惚れさせる」こと。「人はどんなときに『このセールスマンは信頼できるな』と感じるのでしょうか。それは、自分の立場になって考えてくれる場合です」。
●「あなたの話を聞きたい」光線を発しよう。

情報整理術

●とっておきたいと思った新聞の切り抜きは、テーマごとのクリアファイルにそのまま入れる。
●「選ぶ力」×「並べる力」=「編集力」。「情報整理でも大切なのはアウトプットを意識することです」。
●アイディアメモは書き損じの紙の裏で十分。

読書術

●どこかへ出かけるときは、必ず2冊の本をかばんに入れておく。「1冊は、電車の中で読むもの。でも、帰りの電車内で読み終わってしまったら・・・という恐怖から、もう1冊を予備に入れています」。私も全く同じようにしている。

ニュース読み解き術

●「こういう情報があります」と伝えられたら、あくまで「現時点での情報」と受け止める。
●「ちょっと待てよ、個々の事実を積み重ねて得られる印象は、全体像を正しくとらえているのだろうか」と、懐疑心を働かせる。
●確認された情報と伝聞情報、そしてそれに対する自分なりの判断・・・これをきちんと分けて報告できるかどうか。これができる人は、上司や同僚、取引先から信頼される。

情報発信術

●情報発信のためだけでなく、自分の考えを整理するために文章を書く。
●日ごろの観察力が表現力を鍛える。
●考え抜いて行き詰まったら、別のことをして頭の血流を活発にする。