榎戸誠の情熱的読書のすすめ -3つの読書論・ことばのオアシス・国語力常識クイズ(一問一答!)-

1枚のメモが、あなたの人生を変える・・・【MRのための読書論(166)】

【ミクスOnline 2019年10月18日号】 MRのための読書論(166)

メモで変身しよう

やりたいことを全部やる!メモ術』(臼井由妃著、日経ビジネス人文庫)では、ビジネスで成功するための著者自身のメモ術が紹介されているが、ビジネスに止まらず、プライベートでも、さらに言えば人生にとっても重要なことが鏤(ちりば)められている。

ムダを捨てて、大事なことに集中しよう

「『メモ術』と冠している本書は、単なる『メモの書き方の指南書』ではありません。『書き出す』ことでムダをあぶり出し、余計なものを『捨て去り』、本来の目標や夢に『集中』して、それを実現していくための本です。『①書き出す→②捨てる→③集中する』という3段階方式で、自分を不自由にしているものから自由になって、『やりたいことを全部やる!』。仕事や趣味、勉強、プライベートの楽しみ・・・。これまでやりたいけれど我慢していたり諦めていたりしたことを、実現するための本です。・・・さらに、『メモ』にはもうひとつ大事な側面があります。それは、アイデアやお金、チャンス、出会い、運を運んできてくれるというポジティブな効果です」。

著者のテクニックを盗もう

●先ずは、自分が時間を取られているもの=「自分を不自由にしているもの」を書き出し、やらなくてもいいことはどんどん捨てていく。そして、残った物事に集中していけばよいのだと、心を新たにする。

●メモをする習慣を身に付ける。とにかく手を動かしメモをする。メモを読む。振り返って確認する。忘れていたら、また手を動かしメモをして、記憶の定着を図る。そうした繰り返しをするうちに、記憶は確かなものになるのだ。

●トイレでも満員電車でも、毎朝続けているジョギング中でも、ひらめいたらメモする。

●大野耐一のトヨタ生産方式から学んだ「7つのムダ排除術」を応用する。①誰かに任せられることや、頼めることとは手を切る。②他の誰かがやったほうが早くて成果も出るのに、妙なプライドが邪魔をして、抱え込んでいる仕事には即刻見切りをつける。③参加しなくても何の問題も生じない会合には、参加しないと決める。④評判を気にしてつき合っているだけの人には、会わないと決める。⑤当たり前のようにやっているルーティン・ワークを見直す。――そうすれば、「忙しい」、「時間がない」などの口癖は消え、自由な時間が生まれ、ストレスから解放され、あなたにしかできない仕事に集中でき、成果も上がる。

●1年を逆算型で4分割――目標達成の3カ月前、6カ月前、9カ月前、12カ月前――して、スケジュールを管理する。

●1週間を3分割して、月曜~水曜に1週間の仕事を片づけ、木曜に検証し、金曜に翌週の準備をする。

●土曜は人との交流――共通の趣味を持つ友人、勉強させてもらいたいと考えている人の講演ヤセミナー、面白そうなパーティなど――に当て、日曜は全てをシャット・アウトして、ひとりを満喫し、英気を養う。

●ビジネス上の問題を解決してくれたのが、読書。そして、「調べるメモ」と「ピンときたメモ」だった。1年365冊を目標に書籍を読み漁り、理解できないことは「調べるメモ」に書き、納得できるまで調べ尽くす。使えそうな話題やフレーズは「ピンときたメモ」に書き出す。

●読書量と人生の充実度は比例する。

●自分の周りには、人生の目的や幸せに繋がるものしか置かない。整理整頓ができていない場所からは、優れた発想やスピーディな行動は生まれにくい。その結果、人生の目的や幸せは限りなく遠のいていくからだ。

本書を若いうちに手にしていたら、私の人生も、もっと充実していたことだろう。