榎戸誠の情熱的読書のすすめ -3つの読書論・ことばのオアシス・国語力常識クイズ(一問一答!)-

『学研の図鑑LIVE 昆虫(新版)』は、丸山宗利の自慢どおり、最高の図鑑だ・・・【山椒読書論(761)】

【読書クラブ 本好きですか? 2022年12月10日号】 山椒読書論(761)

仲間たちと昆虫の学習図鑑作りに没頭した昆虫学者・丸山宗利が、『昆虫学者、奇跡の図鑑を作る(カラー版)』で、「とんでもない、本当に最高の昆虫学習図鑑ができたぞ!』と自負している図鑑、『学研の図鑑LIVE 昆虫(新版)』(丸山宗利総監修、学研プラス)を手にした。

本図鑑の魅力を列挙してみる。
●昆虫と昆虫以外の節足動物の2,800種以上が収録されているので、昆虫の小さなグループも識別することができる。
●全ての昆虫、節足動物たちが、生きたまま、白バックで撮影されているので、識別し易い。
●原始的な昆虫から順に掲載されているので、進化の流れが分かる。
●「くらべてみよう」、「育ち方」、「もっと知りたい!」、「なぜ?どうして?」、「豆ちしき」などの解説によって、昆虫に対する理解を深めることができる。
●添付されている66分のDVDによって、昆虫の世界に分け入ることができる。

『昆虫学者、奇跡の図鑑を作る(カラー版)』に「とくにカミキリムシはとまらないものが多いため全体的に難しく、シロスジカミキリやミヤマカミキリなどの超大型種は1時間近く、何度も同じ場所を歩かせ、動く個体を追ってシャッターを切り続けたこともある」とあるカミキリムシのページを覗いてみよう。私も、野外で出会ったキマダラミヤマカミキリやノコギリカミキリを撮影するのに苦労したことがあるので、大きく頷いてしまった。

私のような昆虫少年ならぬ昆虫老年にとっては、撮影した昆虫を識別する時、強力な助っ人になってくれることだろう。私のパソコン机の脇の辞典、図鑑の列に、早速、どーんと収まったことは言うまでもない。

昆虫に対する理解を深めるための工夫がいろいろ凝らされているので、昆虫少年少女たちにとっては最適な学習図鑑として役立つと思う。