重症くも膜下出血の妻が、要介護5から要支援1に回復するまでの7年間の介護記録・・・【続・独りよがりの読書論(49)】
【榎戸誠の情熱的読書のすすめ 2019年12月27日号】
続・独りよがりの読書論(49)
三共(現・第一三共)で3年後輩の小嶋憲郎君が、このほど、『死の淵から甦った妻の傍らで』(小嶋憲郎著、榎戸誠編、銀河書籍)を上梓した。
小嶋君が、定年後、突然の病に倒れた夫人の再生を祈って過ごした7年に亘る介護の記録である。
小嶋君は、脳外科のドクターから、グレード5のくも膜下出血のため、手術をしても助かる可能性はほとんどなく、仮に助かっても一生植物人間と告知されたのである。
6時間以上に及んだ緊急手術後、要介護5であった夫人が要支援1という、ドクターも驚くほどの回復に至るまでの、家族にとって不安と期待が入り乱れる長い日々の出来事が、簡潔かつ率直に綴られている。
同じように介護に明け暮れている方々にとって、本書が少しでも励みになれば、著者も嬉しいことだろう。