35歳だった私に強い衝撃を与えた読書術の本・・・【情熱的読書人間のないしょ話(156)】
手前から、ヒャクニチソウ、ヒマワリ、富士山、と言いたいところですが、雲に覆われた富士山は麓しか見えません。因みに、本日の歩数は11,737でした。
閑話休題、読書術と銘打った本を私が初めて読んだのは、『行動派のための読書術――よりよい「知的生活」のために』(鈴木邦男著、長崎出版。出版元品切れだが、amazonなどで入手可能)でした。私が35歳の時のことですが、1歳年上の著者の読書量、読書姿勢に度肝を抜かれたことを懐かしく思い出します。
この本に出会うまでも、本は好きですから相当読んではいたのですが、著者の「ノルマを決めて読む――そのノルマとは月に30冊以上読書するということである」には、本当にびっくりしました。
この他、「併読する――どうやるかというと常に10冊位、同時進行形で併読する。それもなるべく様相の違ったやつを」、「テーマ別に読む――興味をひかれたテーマについては、本屋に行った時に意識的、集中的にそれに関連した本を探すことにしている」、「メシは食わなくとも本は読む」(食費を節約して本代に充てるの意)、「気分を変えてもう一度――いかに短い時間を使って読書するかである。それには何処に出かけるにも本を持ってゆくことである。・・・場所を移して気分を変えて読書を続けるのも一つの方法だが、机に向かったままで気分転換するためには、推理小説やマンガ本を読むようにしている」、「どこでも読む」、「金があったらともかく本を買う――人間、生きている限り考えることをやめたら終りであろう。それに伴侶を選ぶ時はよほど注意して選ばなくてはならない。『仕事の邪魔をしないから』などと言い寄られても決してだまされてはならない。そのうちに女は本性をむき出す」(故に、著者は独身を貫いていました)、「いらない本は思い切って捨てる」といった件(くだり)にも、大いに刺激を受けました。
これらのうち、「気分転換にマンガを読む」と「独身主義」を除く項目は、今や、私の読書姿勢となっています。これくらい、本書は私にとって影響力が大きかったと言えるでしょう。
著者が当時、右翼の行動的論客であったことを読了時点で知ったのですが、リベラルという私の立場との違いを超えて、読書に対する姿勢という点で深い共感を覚えたのです。