世界の昆虫の色・形・大きさは奇想天外だ・・・【情熱的読書人間のないしょ話(511)】
招待されたEPSグループ創業25周年・謝恩パーティに出席しました。多くの懐かしい人々と再会することができました。とりわけ感激したのは、三共(現・第一三共)のメバロチンのプロダクト・マネジャー時代に大変お世話になった防衛医大・中村治雄教授(現・名誉教授)に16年ぶりにお会いし、ご挨拶できたことです。会場のホテル グランド パレスの滝は、勢いよく水を迸せていました。因みに、本日の歩数は10,428でした。
閑話休題、『世界のふしぎな虫 おもしろい虫』(今森光彦著、アリス館)は、昆虫好きには堪らない写真集です。何とも信じ難い不思議な色・形・大きさに息を呑んでしまいました。
色について。「ひとつ目小僧――ヒトツメカマキリ」は、前翅にくっきりとした一つ目小僧の目玉のような紋があります。「昆虫界きっての擬態の名手――ハナカマキリ」の翅と足は桃色のランの花に瓜二つです。「ロボットゴキブリ――ムナモンチャバネゴキブリ」は、頭部にロポットの顔のような紋があります。「ロンボク島の微笑み――ジンメンカメムシ」の背中の模様は人の顔に見えます。「中国の川蜻蛉――シュバネオオカワトンボ」は、翅の一部が美しい朱色をしています。「レースのカーテン――レースコロギス」の後翅は桃色のレースのカーテンを思わせます。「ステンドグラス――シタムラサキナンベイオオバッタ」の後翅は透明感のある紫色で、まるでステンドグラスのようです。「パッと広がる傘――アンブレラヒラタツユムシ」の後翅は、群青色の地に水色の波打った細い線がいっぱい散らばっています。前翅もかなりユニークです。「進化の楽園にくらす――オオベニハゴロモ(赤色型)」の団扇のように丸みを帯びた前翅は鮮やかな紅色です。「ジャングルの宝石――オオエメラルドシタバチ」の体部は、エメラルドのように光沢を放っています。
形について。「見かけ倒し――オオアゴヘビトンボ」は、牙のような長い大顎を持っています。「擬態昆虫の代表――オオコノハムシ」は、緑色の木の葉にそっくりです。「バッタ界の擬態の名手――キノボリカレハバッタ」の胸部は、虫に食われた痕や、乾燥で湾曲した感じ、折れてダメージを受けた様子など、枯れ葉らしさを見事に演出しています。「天狗の鼻――アカバナビワハゴロモ」の頭部の先端が天狗の鼻のように長くなっていて、その先端には紅色が施されています。「鉄腕アトムに登場するキャラクター――アマゾンノコギリハゴロモ」の頭部は、鋸の刃のようなぎざぎざがあります。
大きさについて。「世界最大のゴキブリ――マンモスゴキブリ」を見せたら、女房から「恐ろしい! これが実物大なの?」と聞かれたので、測ったところ9.8cmもありました。「世界最大のセミ――テイオウゼミ」は体長11.9cmです。そして、ネッタイエダナナフシに至っては、頭の先から尾の先までが31cmもあり、その上、前脚は伸ばすと17.6cmあります。
著者が、「今まで、世界のあちこちを旅して、いろんな虫に出会ったけれど、色や形の美しさには、ほんとうに感心させられる。そんな造形美は、目を楽しませるための装飾ではなく、すべて実用のため。きっと、なくては生きてゆけないほどのたいせつな秘密が隠されているにちがいない」、「奇想天外な虫たちを観察する醍醐味は、いちど体験するとやめられない」と語っていますが、私たちも著者と一緒に虫たちを観察している気分にさせられます。