江戸時代の人々と同じような感覚で味わえる歌川広重の「名所江戸百景」・・・【情熱的読書人間のないしょ話(958)】
【amazon 『広重 名所江戸百景』 カスタマーレビュー 2017年12月5日】
情熱的読書人間のないしょ話(958)
今朝は霧が凄いわよ、という女房の声。慌てて近くの公園に急ぎました。池も林もすっぽり濃霧に包まれています。陽が射してきたなと思ったら、早くも2時間が経過していました。
閑話休題、『広重 名所江戸百景』(太田記念美術館監修、美術出版社)は、歌川広重の「名所江戸百景」119枚をじっくり鑑賞できる大型本です。
「広重が見ていた江戸の町の風景、すなわち今から約160年前の東京の町の風景が、そこには生き生きと再現されている。そしてその魅力は、広重の風景の描き方だけにあるのではない。細かいところまで緻密に彫られた線と、華やかな絵具、繊細なグラデーションによって摺られた色という、浮世絵版画の最高級の技術が詰まっていることも、それを支えているのである」。
春の部では、「する賀てふ」、「亀戸梅屋舗」、夏の部では、「日本橋通一丁目略図」、「昌平橋聖堂神田川」、「深川万年橋」、「大はしあたけの夕立」、「水道橋駿河台」、秋の部では、「四ツ谷内藤新宿」、「井の頭の池弁天の社」、「上野山内月のまつ」、「猿わか町よるの景」、「両国花火」、冬の部では、「浅草金龍山」、「浅草田甫酉の町詣」、「高田の馬場」などが、江戸時代の人々が実際に手に取って鑑賞していたのと近い感覚で味わえるというのは、何という幸せでしょう。