小泉純一郎の原発はゼロにすべきだという主張は、明快、論理的、説得力あり・・・【情熱的読書人間のないしょ話(1413)】
ビバーナム・ティヌス(トキワガマズミ)の赤い蕾が目を惹きます。白い花が咲き始めました。
閑話休題、『原発ゼロ、やればできる』(小泉純一郎著、太田出版)の、小泉純一郎の原発はゼロにすべきだという主張は、明快かつ論理的で、説得力があります。
●福島の原発事故の原因がきちんと検証されていないのに、原発を再稼働するのは非常識だ。たとえ事故の原因が完全に分かったとしても、地震大国の日本で、今後、それを防げるとは限らない。
●原発ほどコストの高い発電所はない。
●スリーマイル島、チェルノブイリ、福島で起きた原発事故で明らかなように、周辺地域を放射性物質で汚染した原発は、「クリーンエネルギー」、「環境にやさしいエネルギー」とはとても言えない。たとえ事故を起こさなくても、原発は常に大量の放射性廃棄物というゴミを出し続ける。
●放射性廃棄物の捨て場所が見つからない原発は、「トイレなきマンション」のようなものだ。
●原発稼働ゼロの状態が2年続いても、電力不足になった地域は日本全国のどこにもなかった。
著者の結論は、この2つです。
●「『原発は安全・低コスト・クリーン』。この経産省の主張は全部ウソ。・・・テレビや新聞などで私が『経産省のいっていたことは全部ウソだ!』といっても、経産省から文句をいってくる人は一人もいないんですよ。一人くらい『小泉さん、ウソをいわないでくださいよ』と反論してきてもいいようなものですが、誰一人としていってこない。なぜか。よく考えてみてください。答えはひとつ、それは『ウソだった』ことがほんとうだから。では、なぜ経産省が原発を推進したがっているのか。それは経産省から電力会社へ天下りした人たちが、そこの幹部になっているからです。本来なら監督・監視すべき経産省が原発会社の虜になっているからです」。
●「『原発ゼロ』は決して複雑なことではありません。(安倍)総理が『原発を止める』という方針を決めさえすれば、あとは専門家たちがきちんと道筋を整えてくれます。むしろ原発を維持してくことのほうがよほど複雑でしょう。費用にしても、安全対策にしても、維持するほうがよほど大変だということは、もう自明なことです」。