榎戸誠の情熱的読書のすすめ -3つの読書論・ことばのオアシス・国語力常識クイズ(一問一答!)-

このことだけは、若者に伝えておきたい・・・【情熱的読書人間のないしょ話(1920)】

あちこちで、さまざまな色合いのヘメロカリスが咲き競っています。

閑話休題、『令和日本の大問題――現実を見よ! 危機感を持て!』(丹羽宇一郎著、東洋経済新報社)には、さまざまな経験を積み重ねてきた著者の、このことだけは若者に伝えておきたいという執念が籠もっています。

●戦争をしてはいけない、近づいてもいけない。「戦争を起こしてはならない、それが日本の国是だ!」。「けっして戦争に近づいてはいけない。どんなに時間がかかろうとも、我慢を強いられようとも、戦争を国際問題解決の手段としてはならないのだ」。

●グローバリゼーションから逃げてはいけない。「若者はもっと海外に行くべきだ!」。「リベラルアーツという武器を持て!」。「移住外国人の幸福に責任を持てるか」。「グローバリゼーションがあってはじめて、日本人の平和と生活は守られる」。「世界と対等にビジネスをするには、コミュニケーション能力が要る。デジタル、主格・目的格の明確な語学力(英語)は若者にとって欠くことのできないこれからの大きな道具のひとつなのだ」。

●迫る地震・災害を他人事にしてはいけない。「大地震が必ず起きることを想定しろ!」。「南海トラフ巨大地震は津波の被害も想定しろ!」。「平均気温が2度上がると食料確保が難しくなる」。「水資源の問題とは食料の問題である」。

●不条理を許してはいけない、不合理を信じてはいけない。「貧乏くじを引いた就職氷河期世代を救え!」。「人口減少は必ずしも社会の衰退を意味しない」。「必要なのは事実の探求とリベラルアーツ」。

●長寿を社会悪にしてはいけない。「長寿が問題なのではない。我々の知恵と、我々の社会が、いまだ医学的発展に追いついていないことが問題なのである」。

●老人は若者の邪魔をしてはいけない。「まずは社長がやめなさい!」。「もう若者に席(ポスト)を譲りなさい!」。「未熟なうちに任せることが肝心」。

年齢を重ねた人間の一人として、頷けることばかりです。