榎戸誠の情熱的読書のすすめ -3つの読書論・ことばのオアシス・国語力常識クイズ(一問一答!)-

須賀敦子がイタリアの読者に紹介したかった日本の近・現代文学の13短篇が、この一冊で読めるとは・・・【情熱的読書人間のないしょ話(2104)】

【読書クラブ 本好きですか? 2021年1月16日号】 情熱的読書人間のないしょ話(2104)

この季節、私が一番撮影したいのはルリビタキの雄だが、まだ出会えていません。このルリビタキの雄(写真1~5)は、野鳥観察仲間の池上均氏が3日前に撮影したものです。マガモ(写真6~11)の雄、雌をカメラに収めました。

閑話休題、須賀敦子については、かなり詳しいと自負していたが、『須賀敦子が選んだ日本の名作――60年代ミラノにて』(須賀敦子編、河出文庫)を読んで、まだまだ知らないことがあると思い知らされました。

須賀は、36歳の時、イタリア・ミラノで、日本の近・現代文学をイタリア語に翻訳し、『日本現代文学選』として出版していたのです。それは25短篇だが、『須賀敦子が選んだ日本の名作』には、そのうちの13作品が収められています。須賀が、どういう日本文学をイタリアの読者に紹介したかったのかは、それぞれの作品に付されている「編者解説」によって知ることができます。

既読のものは除き、須賀のお薦めだということで、4作品を読んでしまいました。太宰治の『ヴィヨンの妻』、三島由紀夫の『志賀寺上人の恋』、石川淳の『紫苑物語』、庄野潤三の『道』の読後感は、稿を改めて