東京は谷の都だ・・・【情熱的読書人間のないしょ話(2229)】
アオイトトンボ(写真1)、シオカラトンボの雄(写真2)、キタキチョウ(写真3)、サトキマダラヒカゲ(写真4)、シオヤアブの雌(写真5)、ナミテントウ(写真6)、オオヒラタシデムシ(写真7)、アワフキムシの幼虫が作った泡の巣(写真8)をカメラに収めました。スズメが巣材を銜えています。我が家の庭では、ボンザマーガレット(写真10)が咲いています。抜いても抜いてもはびこるドクダミ(写真11~13)は、我が家の庭師(女房)の不倶戴天の敵です。私は、ドクダミの花をそれほど嫌いではありません(笑)。
閑話休題、『東京スリバチの達人(分水嶺東京北部編)――SURIBACHI 高低差散策を楽しむバイブル』(皆川典久著、昭文社)の魅力は、3つあります。
第1は、東京に、これほど多くの窪地や谷間が存在することを再認識させられること。
「東京に点在する谷の多くはあまり知られていません。都心には渋谷を代表に、四ツ谷、市ヶ谷、千駄ヶ谷、谷中など、谷のつく地名が意外と多く存在しますが、それらは谷の多さを物語る記号(コード)でもあります。坂道の多いことで知られる東京の都心部、『山の手』と呼ばれるエリア(港区・新宿区・文京区など)は、広い視点でながめた場合、谷地形を上り下りする坂道が多く存在します。例えば渋谷では宮益坂と道玄坂が渋谷駅を挟んで向かい合い、谷中では団子坂と三崎坂が向かい合っているようにです」。
「『山の手』に谷が多いのは、この土地ならではのユニークな地形に深く関係しています。山の手は『武蔵野台地』と呼ばれる台地面に立地し、一見平坦な土地ですが、湧水がつくった窪地や、水の流れがつくった谷間が数多く存在します」。
第2は、紅葉川水系、神田川水系、谷端川水系、石神井川水系、荒川水系のそれぞれについて、現代、明治、江戸の地図が掲載されているので、時代の流れを俯瞰できること。
第3は、これまで行ったことがある場所が、かつては谷だったのだと気づかされること。そして、そこが谷であったことをイメージするために訪れたい未知の場所が、いくつも見つかること。