榎戸誠の情熱的読書のすすめ -3つの読書論・ことばのオアシス・国語力常識クイズ(一問一答!)-

探検家の手になる型破りな人生論・・・【情熱的読書人間のないしょ話(2232)】

【読書クラブ 本好きですか? 2021年5月24日号】 情熱的読書人間のないしょ話(2232)

オリエンタル・リリーの園芸品種、コンテナガーデンリリー・ファロリスト(写真1)、ゴデチア(写真2)、マンデヴィラ(写真3、4)、ガクアジサイ(写真5)が咲いています。

閑話休題、『最高におもしろい人生の引き寄せ方』(髙橋大輔著、アスコム)は、探検家の手になる型破りな人生論です。

●探検家が考える人生をおもしろく生きる5カ条
1. 人生のコンパスがおもしろいと指し示す方向へ進め。
2. 仕事とプライベートの間に垣根を設けない。
3. 妄想をとことん追え。人生を変えるビッグチャンスがある。
4. 自分と好きなことの間に他人は介在しない。目指すは、「自分史上初」。
5. 世の中が「ありえない」と決めてかかることに果敢に向かっていけ。

●探検家が考えるもうダメだと思ったときの切り抜け方5カ条
1. 最悪は自分を衝き動かすバネであり、ビッグチャンスへの扉だ。
2. たとえわずかでも自分の実績を信じる。必ず未来への担保になる。
3. 「何があってもだいじょうぶ」と、あらゆる困難を受けて立つ者に困難は訪れない。
4. ハプニングにこそ、人生を突き動かすチャンスが潜んでいる。
5. ここで終わると思ったら、なりふり構わず逃げだせ。

●探検家が考えるやりたいことを続けるための5カ条
1. 強い思いを包み隠さず伝える。
2. 一度の失敗で諦めるなら、ほかのどんなビッグチャンスだってものにできない。
3. 経験に捨てるものはひとつとしてない。
4. 過去は過去に置き去りにする。成功は未来に向かう足かせになるときがある。
5. (気に入りの、手本とする)ハッピーエンドの物語が人間に無限の力を与える。

●探検家が考える他力を自力にする5カ条
1. 自ら動かないものに、誰も手を差し伸べてはくれない。
2. 「雨降って地固まる」ほうが、頼れる仲間になれる。
3. 揺るぎない自信こそ、相手の信頼を勝ち得る絶対的条件。
4. 言葉(=外国語)をひとつ覚えれば、友だちが一人できる。
5. ライバルの存在は大切だ。根性と気合を与えてくれる。

「『自分の死亡記事を想像して書いてみてください』。講演で来場者にそう呼びかけることがある。会場の空気が張りつめる瞬間だ。死亡記事は遺書ではない。氏名に続いて死亡時の肩書や専門分野、死亡日時、場所、死因などが簡潔に記される。人生は一度きり。死亡記事が掲載されるのは一回のみだ。自分が何者であり、この世のどんな存在でありたいか。人間はひとりで生きているわけではない。社会の中で何らかの役割を担っている。死亡記事は、自分の生涯を社会から評価される最終審判でもある。実際には、自分の死亡記事を自分で書くことはできない。それをあえて自分の手で書くことで、人生を客観視しようという試みだ。それは人生の限界点を見つめ、理想の人生像を考える試みでもある」。

「『死ぬかもしれない』と思うからこそ『生きたい』と意識するし、『死ぬ前にこれだけはやりたい、やっておきたい』ということが二つ、三つは見えてくる。欲が湧き出し,あれもこれもと際限なく出てくるはずだ」。

「見知らぬ誰かと同じ夢をシェアするとき、その人が知人を紹介してくれることがある。そこから味方を増やしていく。人との出会いは、その人と繋がる人脈に結び付くことでもある」。

「自分が好きなものを好きなように進める。人生の選択はそれしかない。嫌いなものなら三日続けるのだって苦痛でしかないだろう。好きだからこそ十年だって二十年だって意識の片隅に置いておける」。

「サラリーマン体験を、好きなことを始めるためのOJT研修と割り切ってみてもいいかもしれない。会社を、給料を稼ぐ以上の場にできるか、どうか。それは働き方だけではない。そこで出会った仲間の存在も大きい」。

「本当に大切なことは人生に一度しか起こらない。一期一会と言われるような人と人の出会いに似たような関係が、人と土地にもある」。

「探検には人生が投影される。人生には、そのときにしかできないことがある」。

「今、自分がしたいことを始める。それが正しい道かどうかは、歩き出さなければわからない。間違ったら軌道修正すればいい。今やりたいことだからこそ強いモチベーションが働く」。

「人に出会うことは、その人が紡いだ人生物語のエッセンスを受け取ることだ」。

自分なりの探検を始めたくなる一冊、その勇気を与えてくれる一冊です。