アメリカ人が選んだ日本人100人に、私の知らない人物が5人も含まれているではないか・・・【情熱的読書人間のないしょ話(2305)】
コバネイナゴの幼虫(写真1)、シオカラトンボの雄(写真2~4)、雌あるいは未成熟な雄(写真5、6)をカメラに収めました。
閑話休題、『日英対訳 世界に紹介したい日本の100人』(ジェームス・M・バーダマン著、長尾実佐子訳、山川出版社)では、アメリカ人の早稲田大学名誉教授が選んだ、世界に紹介したい日本人100人が取り上げられています。
古代・中世、近世、近代・現代の100人は、私たちに馴染みの深い人物が網羅されているが、私の知らない人物が5人も含まれているではありませんか。
●池坊専好(2代)(1575?~1658年)――生け花を高尚な芸術として確立
「安土桃山時代に立花を大成させたのが、初代・池坊専好、2代目・専好という2人の池坊の家元である。後水尾天皇は、京で文化が発展していくなかで、2代目・専好の指導を受けるようになった。2代目は先代よりもさらに立体的な作風で知られた」。
●本多利明(1743~1820年)――先見性を持った経世家
「天明の飢饉の影響を目の当たりにした利明は、狭い国土の人口増問題を打破するために国力を増強する方法を探るのに全力を尽くし、日本の経済問題は欧州、とくにイギリスのモデルに倣えば解決できるかもしれないと確信するようになった。自著『経世秘策』の中では、日本の今後の最優先課題として、火薬・貴金属・船舶の活用、蝦夷地開発などの4つを挙げている」。
●長澤鼎(1852~1934年)――カリフォルニアでワイナリーを経営
「ハリスは1875年、長澤を含め、選りすぐりの信者らを連れてコミュニティーをカリフォルニアに移し、サンタローザ近郊の約800ヘクタールの土地にワイナリーを開設する。長澤はのち(ハリス死後)に、その農園を一人で引き継ぐ。教団の始めたワイン製造事業、ファウンテングローブ・ワイナリーを続け、地元でカリフォルニアの『ワイン王』として名を馳せるようになった。カリフォルニアワインをいち早くイングランドや欧州に紹介。ヘンリー・フォード、トーマス・エジソン、新渡戸稲造らをワイナリーに招いてワインの普及に努めた」。
●山岡孫吉(1888~1962年)――農家を助けるディーゼルエンジンを開発
「(ドイツのライプツィヒで開かれた大きな見本市で)世界初のディーゼルエンジンを開発したマン社の映画を見て、ディーゼルエンジンは耐久性があり、燃費が石油エンジンの4分の1で済むことを知ると、山岡はただちに農機具用の小型ディーゼルエンジンの設計を始めた。農作業には3~5馬力の小型エンジンで十分だと判断した山岡の技術者らは、より小型のエンジンの開発に取り掛かる。1933年についにディーゼルエンジンの小型化に成功。小型で安価なヤンマーのエンジンは、日本全国の農作業や山村、漁村の作業の労力を大幅に削減した」。
●猿橋勝子(1920~2007年)――地球科学を切り開いた先駆者
「猿橋はさまざまな研究機関で偏見を乗り越え、『科学者には社会的責任がある』という強い信念で、自身の研究分野に永続的な影響を与えた。また、科学者は何を優先すべきかという点で世間とのつながりを大事にし、自身の仕事について講演し、一般人の意見にも耳を傾けた。また、1957年には女性として初めて、東京大学で理学博士号を取得。日本学術会議会員に選出され、地球化学の分野(海洋化学)で賞を受賞し、原子力の平和利用を推進した。さらに、女性科学者が直面する問題を解決する場として日本女性科学者の会を設立。1981年には、日本人の女性科学者をたたえる『猿橋賞』を創設した」。
期せずして、英語の勉強にもなりました(笑)。