榎戸誠の情熱的読書のすすめ -3つの読書論・ことばのオアシス・国語力常識クイズ(一問一答!)-

川瀬巴水たちの版画には、本当に癒やされるなあ・・・【情熱的読書人間のないしょ話(2367)】

【読書クラブ 本好きですか? 2021年10月10日号】 情熱的読書人間のないしょ話(2367)

私の二、三歩、先を歩いていた撮影助手(女房)の目の前をアオダイショウ(写真1)が横切りました。仰け反った彼女は、それからは私の後ろを付いてきました(笑)。ニホンカナヘビ(写真3、4)、高鳴きするモズの雌(写真5)、ムラサキシジミの雌(写真6~9)、ミドリヒョウモンの雌(写真10~12)、イボバッタ(写真13)をカメラに収めました。因みに、本日の歩数は16,073でした。

閑話休題、『もっと知りたい 川瀬巴水と新版画』(滝沢恭司著、東京美術)には、本当に癒されます。

「何にも増して新版画人気の高まりは、やはり作品そのものの持つ力によるといえる。その力とは、ひとことでいえば、絵画的にも技術的にも、浮世絵版画という木版特有の日本の伝統美の上に大正・昭和の近代美が加わっていることにあるといえよう。このことは、浮世絵版画の伝統的彫り、摺りに加えて新しい技法が取り入れられ、大正抒情や昭和モダンといった近代の絵画表現が実現されていることに顕著だ。画題においても女性、風景、歌舞伎役者、花鳥という浮世絵版画を継承したものに、労働、郷土芸能、異文化、新劇、ダンスなどの新しいものが加わり、伝統と近代の融合が見られる。こうした伝統と近代性を併せ持つ『新版画』は、近代日本美術の一ジャンルとして得意な輝きを放って成立しており、それ自体が大正・昭和の歴史遺産としての価値を有するものとなっている」。

収録されている多くの作品の中で、とりわけ印象的なのは、
●川瀬巴水「五月雨ふる山王」
●川瀬巴水「木場の夕暮」
●川瀬巴水「雪に暮るゝ寺島村」
●川瀬巴水「馬込の月」
●川瀬巴水「金沢下本多町」
●川瀬巴水「小樽之波止場」
●川瀬巴水「大坂宗右衛門町の夕」
●川瀬巴水「平泉金色堂」
●橋口五葉「浴場の女」
●エリザベス・キース「元山の先生と生徒」
●山村耕花「四世尾上松助の蝙蝠安」
●鳥居言人「朝寝髪」
●笠松紫浪「春の夜 銀座」
●土屋光逸「東京風景 銀座の雨」
です。