榎戸誠の情熱的読書のすすめ -3つの読書論・ことばのオアシス・国語力常識クイズ(一問一答!)-

旭川の女子中学生が年上の男女中学生たちから受けた凄惨なイジメの実態とは・・・【情熱的読書人間のないしょ話(2448)】

【読書クラブ 本好きですか? 2021年12月30日号】 情熱的読書人間のないしょ話(2448)

アオジの雄(写真1、2)、雌(写真3、4)、エナガ(写真5)、シロハラ(写真6)、ジョウビタキの雌(7~9)、ツグミ(写真10~13)をカメラに収めました。因みに、本日の歩数は11,341でした。

閑話休題、『娘の遺体は凍っていた――旭川女子中学生イジメ凍死事件』(文春オンライン特集班著、文藝春秋)を読んで、3つの怒りに体が震えました。

第1の怒りは、年上の男女中学生たちによる凄惨なイジメに対するものです。そして、加害者たちやその保護者に反省している様子が見られないことに対するものです。

第2の怒りは、被害女子生徒とその母のイジメ告発への担任女性教師の無責任な態度に対するものです。

第3の怒りは、事件を隠蔽しようとする学校、教育委員会の姿勢に対するものです。

「<廣瀬爽彩(さあや)という児童が亡くなりました。彼女の死について調べてほしいです。学校でのイジメがあり事件に巻き込まれた様子なのですが、・・・どうかこの事件に注目し、真実を調べてあげてほしいです。亡くなった爽彩さんの無念を晴らしてあげたいです>。すべては2021年3月26日に文春オンライン特集班の『公式Twitter』に寄せられた、支援者による1通のダイレクトメッセージから始まった。14歳の女子生徒が亡くなり、その背景にはイジメがあったという内容だったが、その時点で彼女が失踪から遺体で見つかったことを報じているメディアはなく、当初は事件の詳しい情報が掴めなかった。この支援者のメッセージを元に取材班は被害者の母親や親族とコンタクトを取り、4月1日に、北海道・旭川へ飛んだ。その時は、爽彩さんが想像を超える凄惨なイジメ被害に遭っていたこと、その後取材が60日間にも及ぶことなど、知る由もなかった」。

「一体、爽彩さんの身に何が起きていたのか。のちに母親らが警察やイジメグループの保護者などに聞き取って判明したのは、C男が爽彩さんに対して、しつこく自慰行為の動画や画像を送るよう要求していたことだった。取材班も現地関係者に取材する中で、C男が爽彩さんに対して送っていたLINEのメッセージを確認した。6月3日、C男は爽彩さんに対して、次のLINEメッセージを送っている。<裸の動画送って><写真でもいい><お願いお願い><(送らないと)ゴムなしでやるから>。C男は爽彩さんに自慰行為の写真を携帯のカメラで撮って送るようしつこく要求。まだ12歳だった爽彩さんは何度も断ったが、上記のような暴力をちらつかせ脅迫するようなメッセージもあり、恐怖のあまり、自身のわいせつ写真をC男に送ってしまったという。それを機に、A子、B男、C男らによるイジメが目に見える形で露骨になってきた。・・・怯える愛娘の異常な様子に心配した母親は、何度も中学校の担任教師に『娘はイジメられているのではないか』と相談したという。『4月に1回、5月に2回、6月に1回、担任の先生に<イジメられていますよね? 調べてください>とお願いしたが、担任の先生からは<あの子たち(A子ら)はおバカだからイジメなどないですよ><今日は彼氏とデートなので、相談は明日でもいいですか?>などと言って取り合ってくれなかったそうです』。イジメは、さらに凶悪で陰険なものとなっていった。6月15日、爽彩さんはA子らにたまり場の公園に呼び出されたという。・・・『<爽彩が男子中学生に裸の画像を送らされたり、わいせつなやり取りをしていた>という話を男子生徒が突然し始めると、周りを囲んだA子やD子、E子ら女子中学生が<それ今ここでやれよ。見せてよ>と、爽彩にその場で自慰行為をするよう強要したのです。その後、<公園では人が来るから>とA子らは、爽彩を公園に隣接する小学校の多目的トイレに連れ込み、再び自慰行為を強要しようとしました。複数人に取り囲まれ、逃げ出すことも助けを呼ぶこともできず、爽彩は従うしかなかった』。爽彩さんは、この『事件』が起きた頃から自暴自棄になり、執拗なイジメに対して『もう好きにして』『わかった』と答えるようになった。もはや抵抗する気力も残っていなかったのだろう。誰にも相談できず、凄惨なイジメに耐え続けていた爽彩さんだったが、その後、イジメはさらにエスカレートしてしまった」。