本書の著者にとっての「面白い小説」と、私にとってのそれが、これほど異なるとは・・・【情熱的読書人間のないしょ話(2551)】
ヤマブキ(写真1~4)、シロヤマブキ(写真5、6)、シャガ(写真7、8)、トキワマンサク(写真9)、ドウダンツツジ(写真10、11)、ハナズオウ(写真12、13)が咲いています。因みに、本日の歩数は11,055でした。
閑話休題、『作家の値うち――令和の超ブックガイド』(小川榮太郎著、飛鳥新社)では、文藝評論家の小川榮太郎が、現代作家100人の505作品を100点満点で評価しています。
このような作品が90点以上の評価を得ています。
▶99点=『忘れられた巨人』(カズオ・イシグロ)
▶97点=『わたしを離さないで』(カズオ・イシグロ)
▶96点=『愛と幻想のファシズム』(村上龍)、『辻』(古井由吉)、『光圀伝』(冲方丁)
▶94点=『槿』(古井由吉)、『充たされざる者』(カズオ・イシグロ)
▶92点=『いとまの雪 新説忠臣蔵・ひとりの家老の生涯』(伊集院静)、『秘祭』(石原慎太郎)
▶91点=『池袋ウエストゲートパーク』(石田衣良)、『三国志』(北方謙三)、『死の博物誌』(石原慎太郎)、『ゼツメツ少年』(重松清)、『白仏』(辻仁成)、『冬の旅』(辻原登)
▶90点=『海の仙人』(絲山秋子)、『仮往生伝試文』(古井由吉)、『眩』(朝井まかて)、『センセイの鞄』(川上弘美)、『芽むしり仔撃ち』(大江健三郎)、『優駿』(宮本輝)
カズオ・イシグロ、村上龍、川上弘美、宮本輝などが高評価なのは納得できるが、石原慎太郎には、ちと甘過ぎるのではないかというのが、私の見解です。一方、小川が低い点数しか付けていない作家・作品に、私の好きな作家・作品がかなり含まれています。例えば、『神よ憐れみたまえ』(小池真理子)が78点、『彼女は頭が悪いから』(姫野カオルコ)が59点、『舟を編む』(三浦しをん)が63点、『火車』(宮部みゆき)が48点とは、いくら何でもおかしくないか。
小川にとっての「面白い小説」と、私にとってのそれが、これほど異なるとは驚きだが、一方、小川が高く評価しているもので、読みたくなってしまった作品がいくつかあります。『眩』(朝井まかて)、『光圀伝』(冲方丁)、89点の『無花果の森』(小池真理子)、83点の『一瞬の光』(白石一文)、『愛と幻想のファシズム』(村上龍)の5作品です。
自分とは異なる考え方の存在を知ることは、大いに意義ありと考えています。