お酒をチャンポンすると悪酔いする? 老眼になると近視が治るって本当?・・・【情熱的読書人間のないしょ話(2671)】
ニホンカナヘビ(写真2)、盛んに囀るホオジロの雄(写真3)、ウスバキトンボの雄(Sさんの教示。写真4)、アブラゼミ(写真5)をカメラに収めました。スイカ(写真6)が実を付けています。
閑話休題、『科学者も知らないカガクのはなし――科学が100倍おもしろくなる100の疑問』(齋藤勝裕著、花くまゆうさく絵、技術評論社)には、興味深い疑問がてんこ盛りです。
●お酒をチャンポンすると悪酔いする?
「酔うか酔わないかはお酒の種類に関係なく、摂取したエタノールの総量によるのです。とはいうものの、お酒をたくさん飲むときは、えてしてハシゴ状態になります。するとあちらでビール、こちらで日本酒、そちらで焼酎と多くのお酒を飲むことになり、結果的にチャンポンしてしまいがちです。このことから『チャンポンすると悪酔いする』という通説が生まれたのではないでしょうか」。
●老眼になると近視が治るって本当?
「近視は近くは見えますが、遠くは見えません。反対に、老眼は近くは見えませんが遠くは見えます。結果は反対ですが、何やら対になっているようで、原因も似ているような気もします。しかし、近視と老眼の原因はまったくちがいます。近視は目玉の病気です。健康なら真球のはずの目玉が、近視では前後に伸びてラグビーボール型になっているのです。そのため、水晶体(レンズ)で屈折した像が網膜の手前に結像してしまい、ぼやけて見えるのです。それに対して、老眼の原因は筋肉の老化です。水晶体を伸び縮みさせて焦点距離を調節する毛様体という筋肉の働きが悪くなり、焦点距離を変化させることができなくなるのです。このようなわけですから、近視の人が老眼になったところで状態が改善されるはずはありません。ハッキリいって、ますます悪くなるだけです」。
●キスをすると虫歯は伝染するの?
「虫歯になるかならないかのカギを握る一つのポイントは、う蝕原生菌であるミュータンス菌です。これはキスによってたしかに感染します。しかし、感染はしますが、成人の場合は(口腔内で、いろいろな細菌の住み分けができているので)口腔内に定着するには至りません。・・・でも、赤ちゃんの場合は気をつけてください。ミュータンス菌がねらっています。昔は硬い食物を、親が噛んでから与えるのは愛情表現の典型でした。しかし、現代ではあまりオススメできない行為というべきでしょう」。
●ネギがインフルエンザに効くって本当?
「大学の薬学部で行った研究で、A型インフルエンザウイルス(H1N1)を鼻から感染させたマウスを使っていました。ネギを熱水で抽出した成分を用い、感染の1週間前から1週間後までの2週間にわたって経口投与したグループAと、与えないグループBの2つに分けます。すると感染から3日後、肺や気道のウイルス量と、それに対する抗体の産生量が、ネギ成分を投与したマウスのほうが多くなりました。これはネギに高いウイルス増殖抑制作用があることを示すものです」。
●三毛猫にオスがいないのは本当?
「三毛猫にオスがいないというのはほぼ事実です。これは遺伝の原理上、そうなっているのです。ネコの性の遺伝は人間と同じであり、X染色体とY染色体で決まります。すなわち、染色体の組み合わせがXYならオスであり、XXならメスになります。ところが猫の場合、毛なみの色を遺伝する遺伝子がこの性染色体であるX染色体に乗っているのです。そして問題は、茶色にする毛色染色体と黒にする毛色染色体は1個のX染色体に『あい乗り』することができないということです。したがって、黒と茶色を同時に『着たい』と思った猫君は、2個のX染色体を選ばなければならないことになり、これはすなわち女性になることを意味します。こうようなわけで、三毛猫にオスはいないことになるのです。しかし何事にも抜け道はあるもので、オスの三毛猫がいないはずはありません。ということで、ちゃんとオスの三毛猫は存在します。しかし希少です。なんとオスの三毛猫が生まれる確率は3万分の1なのだそうです」。