本書のおかげで、8つも「読みたい本」が見つかりました・・・【情熱的読書人間のないしょ話(3119)】
高木の間を飛び交わすカケス(写真1~4)の群れに出くわしたが、不満足な写真しか撮れませんでした(涙)。ツツドリの幼鳥(写真5、6)、カワラヒワ(写真7、8)、アオスジアゲハ(写真9)、キタキチョウ(写真10)をカメラに収めました。キク(写真11~14)、ホトトギス属の一種(写真15)が咲いています。因みに、本日の歩数は11,289でした。
閑話休題、敬愛する鹿島茂の著作と書評は、できるだけ目を通すようにしているが、書評集『書評家人生』(鹿島茂著、青土社)も期待を裏切りませんでした。
本書のおかげで、8つも「読みたい本」が見つかりました。
●バルザック世界へのもう一つの入口――オノレ・ド・バルザック『バルザック幻想・怪奇小説選集』(全5巻)
●愛情の欠如が生んだ過剰防衛――三浦雅士『漱石――母に愛されなかった子』
●知られざる「最も優れた敗者」の素顔――ジャン=クリスチャン・プティフィス『ルイ十六世』(上・下)
●絵画から広がるプルースト世界――吉川一義『ブルーストと絵画――レンブラント受容からエルスチール創造へ』
●ばらは窓からまかれる汚水で枯れた――ウィリアム・リッチー・ニュートン『ヴェルサイユ宮殿に暮らす――優雅で悲惨な宮廷生活』
●「考えること」を本気で求めた作家――リンデ・ザルバー『ルー・アンドレーアス=ザロメ――自分を駆け抜けていった女』
●苦痛と文学創造の密接なつながり――吉川一義『<失われた時を求めて>への招待』
●謎解き古代文字、英仏の天才が挑む――エドワード・ドルニック『ヒエログリフを解け――ロゼッタストーンに挑んだ英仏ふたりの天才と究極の解読レース』
その本の本質を見抜く鹿島の眼力に脱帽!
書評に対する鹿島の考え方には、大きく頷いてしまいました。
「匿名書評というものはこの(署名をして文責は自分にあることを公にさらすという)苦しさを引き受けていない以上、書評とは認めてはいけないものです。同じく、ネットのハンドルネームを使った本のコメントは書評ではありません。書評というのは最低限、署名をすることの苦しさを引き受ける覚悟のある人でなければ書いてはいけないものなのです」。
「原著の文体や肌合いを知ってもらうために、あえて引用は多めにする。理想を言えば、引用だけで書評が成り立つようにしたい。引用すべき箇所がうまく捜し出せたら、書評としては、その使命を半ば果たしたといえる」。
「書評は最初の三行が勝負である」。