エジプトの古代文字ヒエログリフの解読競争を繰り広げた二人の天才学者とは・・・【情熱的読書人間のないしょ話(3138)】
再挑戦すべく午前5時に起床し、出現する可能性の高い数カ所で4時間半粘った甲斐があり、遂に、ベンケイヤマガラと呼ばれるヤマガラの暗色個体(写真1~4)を撮影することができました。ヤマガラ(写真5~8)、アカゲラの雄(写真9、10)、雌(写真11、12)、巣穴のアカゲラの雌(写真13~15。写真11、12とは別個体)をカメラに収めました。因みに、本日の歩数は17,985でした。
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閑話休題、エジプトの古代文字ヒエログリフについては、19世紀初めにフランスのジャン=フランソワ・シャンポリオンという学者がロゼッタストーンを手がかりに解読したと単純に思っていたが、この解読にはトマス・ヤングというイギリスの学者も深く関与していたと主張する驚くべき本が出現しました。『ヒエログリフを解け――ロゼッタストーンに挑んだ英仏ふたりの天才と究極の解読レース』(エドワード・ドルニック著、杉田七重訳、東京創元社)が、その本です。
ヒエログリフは、古代エジプト時代に造られた神殿やオベリスクに刻まれた、摩訶不思議な絵文字の羅列で、394年にナイル川上流にあった神殿の壁に刻まれたのを最後に使われなくなり、以後、誰にも読めない、意味不明のものとなっていました。
以降、さまざまな人間が解読に挑戦したものの、うまくいきませんでした。この閉塞状態に風穴を開けたのが、19世紀に登場した二人の天才学者、ヤングとシャンポリオンだったのです。
本書では、この二人が生涯を懸けて挑んだ解読レースの一部始終が臨場感豊かに描かれていきます。訳者は、こう評しています。「ほぼ正反対の性格といっていいふたりは、まったく異なるアプローチでヒエログリフの解読に挑みながら、互いを意識して熾烈な競争心を燃やす。飽くなき好奇心と知的欲求に取り表かれたようなふたりの人生を見てくると、難解極まる謎にどこまでも食らいついていく人間の知の執念に震撼する」。
「ヤングが解読の突破口となる最初の発見をしたが、その彼を(17歳年下の)シャンポリオンが追いこし、そこから先はほとんどシャンポリオンの独壇場となった」。
「トマス・ヤングは、これまでみんながやってきた方法はすべて間違いであると示すことで、ヒエログリフ解読競争の先陣を切った。・・・(エジプト学者のジョン・)レイによれば、ヤングは『問題を解くことにかけては、おそらくイギリスがこれまでに生み出した最も優秀な人間』だった。しかし、パズルを解くのが得意な天才ひとりでは足りなかった。コプト語とエジプトの歴史に関する知識もまた必要で、その深い流れに身を沈ませてこそ、論理の限界を超えて実験や洞察が可能になるのである。それを担うのがシャンポリオンの役目であり、それは他の誰にもできないことだった」。
上質な整理小説のように、ヒエログリフの謎のヴェールが一枚、一枚と剥がされていく過程が、私たちの知的興奮を掻き立てる意欲的な著作です。