榎戸誠の情熱的読書のすすめ -3つの読書論・ことばのオアシス・国語力常識クイズ(一問一答!)-

ニホンオオカミはイヌに最も近いオオカミだ・・・【情熱的読書人間のないしょ話(3190)】

【僕ら本好き読書隊 2024年1月10日号】 情熱的読書人間のないしょ話(3190)

コサギ(写真1)をカメラに収めました。ナンテン(写真2、3)が実を付けています。ハボタンとシクラメンの寄せ植えです(写真4)。我が家の庭には、メジロ(写真7~9)、シジュウカラ(写真10)たちが入れ替わり立ち替わりやって来ます。

閑話休題、「日経サイエンス 2024年2月号」(日経サイエンス社)に掲載されている「縄文犬とニホンオオカミの深い関係」(遠藤智之著、寺井洋平協力)には、1900年代初頭に絶滅したニホンオオカミに強い関心を抱いている私のような者にとって見逃せないことが記されています。

「一般的にイヌやオオカミと呼ばれているのは別の種ではなく、実は全てハイイロオオカミという同じ種で、この亜種としてイヌやニホンオオカミが分類されている。ハイイロオオカミは広く世界中に分布し、各地でイヌとの交雑が少なからず見られる」。

「解析の結果、ユーラシア大陸のハイイロオオカミはヨーロッパ・中近東・インドの3つの集団が最初に分岐し、続いて東アジアの集団が最後に分かれていた。この系統関係はハイイロオオカミが西から東へと次第に広がったことを示し、地理的にも整合している。その後、イヌとニホンオオカミの共通の祖先は東アジアのハイイロオオカミとは別の集団を作り、この集団はさらに2つに分かれた。一方は人間に飼い慣らされてイヌとなって世界中で繁栄し、もう一方はニホンオオカミとなった。ニホンオオカミは大陸では古くに絶滅したが、日本では約100年前まで生き残っていた」。

「(総合研究大学院准教授の)寺井(洋平)は『これまで謎に包まれていたイヌの起源は東アジアにあるとみている。イヌに最も近縁なオオカミが最近まで日本で生き残っていたことも幸運だった。日本はいにしえのイヌの進化を知る手がかりを現代に残す<貯蔵庫>になっているといえるだろう。縄文犬や日本犬など日本列島のイヌを詳しく調べれば、イヌの最も古いところに迫れる』と語る」。