国立科学博物館地球館の探検に出かけよう・・・【情熱的読書人間のないしょ話(838)】
我が家の庭には、アブラゼミの幼虫たちが巣立っていった穴がたくさんあります。従って、幼虫の抜け殻をよく見かけます。成虫が室内に飛び込んでくることがあります。雄は胸部に鳴くための共鳴板がありますが、雌にはありません。散策中、白いオシロイバナの中に、紫色の斑入りのものが交じっているのを見つけました。花弁のように見えるのは萼です。子供たちが自由に模様を描いた傘が飾られています。因みに、本日の歩数は10,625でした。
閑話休題、東京・上野の国立科学博物館に入ると、いつも、時間の経過を忘れてしまいます。『国立科学博物館のひみつ 地球館探検編』(成毛眞著、国立科学博物館監修、ブックマン社)で当館のさらなる魅力に触れてしまったので、今後は滞在時間が大幅に延びそうです。
1階の系統広場は、このように紹介されています。「生物。その一言で表される範囲は驚くほど広く、多様で、多彩だ。立体図鑑のような空間に身を置くと、それぞれの違いと共通点、そして関わり合いが自ずと浮かび上がってくる」。
「●成毛=地球館1階の一番奥までやってきましたが、広々と明るい空間ですね。そして取り巻くように、多くの動植物の標本がきれいに展示されています。●倉持=今、150万から200万の種が知られていますが、それぞれにスペースを比例配分し、目のレベルまで3000点の標本で網羅しています。●成毛=まさにリアル生物図鑑ですね」。
3階の動物の剥製が集められたフロアでは、「手前にも、奥にも、その間にも、生きていたときそのままの姿で、動物たちがこちらを見ている。ここに佇んでいると、多様性という言葉の意味を強く、深く理解できる気がしてくる」。
「今にも動き出しそうな剥製群。今は絶滅してしまったものの姿も」。
地下1階の恐竜のフロアには、「骨だけしかないが、それがいいのだ。肉づけをして、色をつけて、と。自由に頭の中で、在りし日の姿を妄想できる。どんな表情をし、どんな行動をし、どんな声をしていたのか、考えているとあっという間に時が過ぎる」。
「●真鍋=ティラノサウルスはまだ50体ほどしか見つかっていなくて、そのうち、全身復元骨格が観られるのは、このバッキーを含めて10体くらいです。ポーズが面白いでしょ? ●成毛=しゃがんでいますね。●真鍋=ティラノサウルスは恥骨が発達していて、最新の研究では、後ろ足と恥骨の3点で体を安定させて休んでいたのではないかと考えられています。使いものにならなそうな極端に短い前足も、しゃがんだ姿勢から起き上がるときの支えにしたと考えると、合点がいくのです」。
「●真鍋=現在は、鱗がある変温動物は爬虫類、羽毛が生えていて空を飛ぶ恒温動物は鳥と分類されますが、進化の過程には爬虫類と鳥類の境目があるはずです。でも、その境目は明確にできません。爬虫類のなかにトカゲやワニ、それから恐竜がいて、その恐竜の一部が、始祖鳥を経て鳥になったと考えられているのですが、これはつまり、恐竜は爬虫類の一グループで、その恐竜の一部が鳥という、入れ子構造になっているということです」。
本書のおかげで、屋上に憩いのスペースがあることを知りました。「青い空、白い雲、緑、そして輝く東京の街。晴れたらスカイツリーも。科博地球館の屋上は、知る人ぞ知る、都心の憩いの場所だった」。