榎戸誠の情熱的読書のすすめ -3つの読書論・ことばのオアシス・国語力常識クイズ(一問一答!)-

小論文の達人と図解の名人が、対話力について縦横無尽に語り合った対談集・・・【情熱的読書人間のないしょ話(3198)】

【僕らは本好き読書隊 2024年1月18日号】 情熱的読書人間のないしょ話(3198)

アオサギ(写真1、2)、ダイサギ(写真1、3~6)、コサギ(写真6、7)、ハクセキレイ(写真8)をカメラに収めました。

閑話休題、小論文の達人・樋口裕一と図解の名人・久恒啓一との対談集『対話力』(樋口裕一・久恒啓一著、中公新書ラクレ)は、対話力(コミュニケーション力)向上に役立つヒントが満載です。

樋口は、「対話力=理解力(異質な価値観を理解する)+論理力(説得する、発信する)」と考えています。一方の久恒は、「対話力=理解力+企画力+伝達力」と捉えています。

●樋口=出世するためには、仕事で輝かなければなりません。輝きを発信するには、対話力が必要です。出世のためにも、対話力は欠かせないのです。競争意欲と対話力は同じだろうと思います。

●樋口=私は、「反論を上手にする」っていうのが一番大切なことだと思います。相手の言いなりになっていたらいけない。だから反論が大事なのですが、反論するときに、ムカッとさせる反論をする人と、説得力があってなるほどと思わせる人がいます。それは対話力の差なのです。

●久恒=仕事とは問題解決であり、問題解決とはつまり対話であるというのが、企業経験を経て私が導き出した結論です。ですから対話力のアップは、仕事力のアップです。自分や他者の性格をよく知り対話力を高めることが、充実した職業人人生をもたらしてくれるのです。

●久恒=対話力で忘れてならないのが「性格」です。対話の方法は、相手の性格によるということです。だから一般的な解がない。いつも反対する人は、反対する性格だからと考え、そう思って対処する。「この人はいつも反対しているので、習慣として反対しているだけだ。だから問題はない」などです。

●樋口=とにかく日本人は、発信しない傾向が強いので、「もっと発信しようよ」と。いまブログというのがありますね。それは非常に手軽で、有効な道具です。・・・読者のことを思い描いて、まさに対話力を鋭くさせて、書き方に注意しながら書く。その繰り返しは、きっと対話力を磨きに磨くでしょう。

●久恒=問題点や相違点が生じるからこそ、対話力が磨かれるのです。ブログではいろいろな書き込みがありますよね。そして、みんなが見ています。どう答えるかが、むずかしいのです。間違えると「炎上」となる。どう答えたらよいかと考える。だからブログは対話力を磨くツールになっているのです。