榎戸誠の情熱的読書のすすめ -3つの読書論・ことばのオアシス・国語力常識クイズ(一問一答!)-

主婦は、夫との離死別などにより簡単に最下層に転落してしまう・・・【情熱的読書人間のないしょ話(3550)】

【読書の森 2024年12月24日号】 情熱的読書人間のないしょ話(3550)

幸運にも、タシギ(写真1~10)を見つけることができました。コサギ(写真11)、ダイサギ(写真12)、アオサギ(写真13)をカメラに収めました。因みに、本日の歩数は11,645でした。

閑話休題、『女性の階級』(橋本健二著、PHP新書)には、驚くべき事実が提示されています。

日本の母子家庭の貧困率は51.4%、実に2人に1人が貧困だというのです。多くの女性たちは、正規雇用で就職したあと、結婚・出産を機に退職し、専業主婦やパート主婦になるが、夫との離死別などにより簡単に最下層に転落してしまうというのです。

著者は、現代日本の最下層であり、階級社会の矛盾が最も集中する、女性アンダークラスに注目しています。現代日本における貧困層の、一つの典型となっているからです。

女性たちは、なぜ、どのようにして、アンダークラスとなるのでしょうか。「女性アンダークラスには、学校を出て就職した最初から、あるいは結婚以前の若いころからアンダークラスだという人々と、いったん正規雇用で就職したあと、結婚または出産を機に退職して専業主婦やパート主婦となり、のちに離婚や死別を経てアンダークラスになった人々とがいる。後者は、女性特有の事情でアンダークラスになった人々である。つまり、女はなぜアンダークラスになるのかといった場合、若年期にアンダークラスになるというケースと、結婚と離死別を経てアンダークラスになるというケースの両方を視野に入れる必要がある」。

そして、それぞれのケースについて、その理由が明らかにされていきます。

結婚して主婦となり、何不足なく順調に女の人生を歩んでいると思われた女性が、アンダークラスに転落する、主婦という地位は、つねにそんな危険と隣り合わせなのであると、警告しています。