NHKの大河ドラマ『べらぼう』の登場人物たちについての疑問が氷解・・・【情熱的読書人間のないしょ話(3630)】
コブシ(写真1)、ハクモクレン(写真2、3)、千葉県の最重要保護生物であるキクザキイチゲ(写真4)、アブラナ(別名:ナノハナ。写真5~7)が咲いています。ベニシジミ(写真8)をカメラに収めました。キタテハ(写真9)の交尾を目撃しました。利根運河に架ける沈下橋の工事が始まりました(写真10)。今宵は満月です(写真11)。因みに、本日の歩数は11,741でした。
閑話休題、歴史好きの私は、2024年のNHKの大河ドラマのように、あまりに史実を逸脱したものは見る気がしません。そんな私だが、2025年の『べらぼう――蔦重栄華乃夢噺』は欠かさず見ています。
放送中の『べらぼう』を見ていて、気になった人物が6人います。●実際、喜多川歌麿は蔦屋重三郎(蔦重)のもとで絵の修業をしていたのか、●蔦重のライヴァルの鱗形屋孫兵衛、鶴屋喜右衛門はどういう人物だったのか、●本当に、平賀源内は蔦重とも田沼意次とも親しかったのか、●意次のライヴァルの松平武元はどういう人物だったのか、●吉原遊廓の看板遊女・瀬川を身請けした鳥山検校はどういう人物だったのか――これらの疑問を解消してくれたのが、令和の細見ともいうべき『蔦屋重三郎と時代を編んだ有名人140 ――歴史人物ツアーガイド 江戸のメディア王』(三猿舎著、東京ニュース通信社)です。
●喜多川歌麿
若い頃の歌麿は根岸の蔦重の仮宅に寄宿して絵を描いていたとされています。掲載されている鳥文斎栄之筆「喜多川歌麿肖像画」には、のけ反ってしまいました。歌麿が描く絵とは懸け離れた、ごつい顔をしているからです(写真13)。
●鱗形屋孫兵衛
江戸有数の地本問屋として確固たる地位を築いたが、大坂の書肆の出版物の無断重版の罪で罰金刑を受け、凋落していきました。
●鶴屋喜右衛門
地本問屋の代表格で、有名作家の読本・合巻や人気絵師の浮世絵を出版しました。
●平賀源内
蔦重は、吉原遊廓のガイドブックである吉原細見の『細見嗚呼御江戸』の序文を平賀源内に書いてもらっています。源内は、時の権力者・意次の庇護を受け、鉱山開発などに注力しました。
●松平武元
徳川吉宗・家重・家治の3代の将軍に仕え、歴代最長となる33年の長きに亘り老中を務めました。
●鳥山検校
相当あくどい高利貸しで財を成した鳥山検校は、吉原中ノ町通りの遊女屋・松葉屋の看板遊女・瀬川(5代目)を大金で身請けし、大評判となりました。歴代瀬川の人気ぶりは、蔦重の耕書堂から刊行された6代目瀬川らのサイン入り絵本『吉原傾城新美人合自筆鏡』(北尾政演画)が人気を博したことからも分かります。
蔦重(蔦唐丸)が催した狂歌会には、当時を代表する狂歌師たちが参加しています(写真14)。