忙しすぎて思うように発掘が出来なくても、外国考古学を止められない理由・・・【情熱的読書人間のないしょ話(3671)】
キンラン(写真1、2)が群生しています。ギンランはまだ時期が早いのかと諦めかけた時、20mほど離れた所で撮影助手(女房)がササバギンラン(写真3)を見つけました。スパニッシュ・ブルーベル(学名:ヒアシンソイデス・ヒスパニカ。写真4)、オオアラセイトウ(別名:ショカツサイ。写真5、6)、ウラシマソウ(写真7~9)、フジ(写真10、11)、ミツバツツジ(写真12)が咲いています。我が家の庭師(女房)から、オダマキ(写真13~16)が咲き出したわよ、との報告あり。
閑話休題、『考古学者だけど、発掘が出来ません。多忙すぎる日常』(青山和夫・大城道則・角道亮介著、ポプラ社)からは、発掘以外のあれやこれやで滅茶苦茶に忙しいが、外国考古学という魅力的な天職は止められないという、強烈な思いがひしひしと伝わってきます。
「そんな忙しい思いをしてまで考古学の世界にぶら下がっているのか、というと、そのような苦労を経てもなお、発掘は面白いからである。誰も知らない、使い方もわからない石器が、土器が、青銅器が、地下から姿を現し、それを自らの手で取り上げた時の興奮と喜びは、それまでの忙しさなど吹き飛ばしてしまうほどの魅力がある」。
エジプト考古学者・大城道則は、死ぬ気で勉強してヒエログリフを習得するも、仕事がないと嘆いています。
中国考古学者・角道亮介は、書類片手に役所に通い、遺跡周辺の住民に挨拶回りをし、学生や作業員たちの反乱を恐れ、調査予算の少なさを嘆き、出土した遺物の整理と報告書の執筆に忙殺されるという、中間管理職の悲哀を語っています。
メキシコ・中米マヤ文明考古学者・青山和夫は、ジャングルで黒い物体に追われたり、テント近くで猛獣ジャガーの足跡に遭遇したりした恐怖体験を記しています。
外国考古学者が少ない背景がよ~く分かりました。