アメリカ南部白人女性は奴隷制度の傍観者ではなく、共犯者だった・・・【情熱的読書人間のないしょ話(3695)】
我が家の庭師(女房)から、ヒメヒオウギ(学名:フリージア・ラクサ。写真1)、サツキ(写真2、3)が咲き出したわよ、との報告あり。ウスベニカノコソウ(写真4)、ガザニア(写真5)、エビネ(写真6)、ミヤコワスレ(写真7)、ボンザマーガレット(写真8)、オダマキ(写真9、10)、ジャーマンアイリス(写真11)、クレマチス(写真12、13)も頑張っています。
閑話休題、『みんな彼女のモノだった――奴隷所有者としてのアメリカ南部白人女性の実態』(ステファニー・E・ジョーンズ=ロジャーズ著、落合明子・白川恵子訳、明石書店)には、驚くべきことが書かれています。
南北戦争により奴隷制が廃止されるまでのアメリカにおいて、南部白人女性は奴隷制度の消極的な傍観者などではなく、共犯者であったというのです。定説を覆すこの大胆な主張は、著者による膨大な資料・証言の渉猟によって裏付けられているので、有無を言わせぬ説得力があります。
そのポイントを、私なりに整理してみました。
●南部白人女性は、南部の政治経済を担い、非人道的な奴隷制度の発展に寄与した白人男性の傍観者ではなく、男性同様、奴隷制度の維持・発展に寄与した共犯者であった。
●南部白人女性は、奴隷市場にも積極的に関与し、奴隷を売買したり、賃貸契約を結んだりした。白人女性だけを対象としたニッチな奴隷市場も存在していた。
●南部白人女性は、奴隷の繁殖に熱心だった。女奴隷に多くの子供を産ませることは、女主人の財産を増やすことになるからだ。
●南部白人女性は、奴隷の懲罰道具として、牛革の鞭や棘の枝を多用した。
「若い白人少女たちは、奴隷たちを管理し、しつけるためのさまざまな方法を学び、実践するようになった」。
「若い女性たちが結婚すると、彼女たちは、(奴隷に関する)その知識、訓練、経験の全てを有効に活用した」。
「奴隷を所有した女性たちは、隷属を強いられた女性たちの生殖能力と育児労働から何世代にもわたって利益を得ていたのである」。