大谷翔平は、なぜ、あのようにホームランが打てるのか・・・【情熱的読書人間のないしょ話(3783)】
大谷翔平は、なぜ、あのようにホームランが打てるのか知りたいと思っていたが、『大谷翔平のバッティング解剖図鑑』(立花龍司著、エクスナレッジ)がその秘密を教えてくれました。
●ひとことでいえば、打球をより遠くへ飛ばすためのバッティングに変更したのである。
●バッティングフォームを水平回転メインから垂直回転メインへ転換したことで、結果的に正しいアッパースイングになるとともに、スイングの振り幅も飛躍的に大きくなった。
●ゆるやかなアッパースイングが最もミートの確率の高いスイングということになる。
●日本では「わきを締めてボールに対して最短距離でバットを出す」という指導が主流となっている。これに対して米国では、基本的に「全員がホームランを打てる」という考え方が主流。野球本来の楽しさである「ボールを遠くへかっ飛ばす快感」を大切にしているのだ。現在の大谷は米国流に徹している。
●大谷は、バットでボールをミートする直前からスイングのフィニッシュまでの間に、独特なブレイシングメソッド(呼吸法)を行っている。口をすぼめてプウと息を吐く。スイングの中盤から後半にかけては重力に逆らってのアッパースイングをするため、より大きな力を必要とする。そのため、スイングが後半に移行するにつれて、息を強く吐き、それを止めるため、ほほが大きくふくらむ。そのとき、腹圧が高くなり、重心が固定されて、より大きな筋力を発揮できるのだ。
●試合前の打者・大谷のルーティンは、動画を見ることから始まる。自分だけでなく、いろいろな打者のバッティングを見て、イメージをしていく。そして、まずティースタンドに置いたボールを打つ。次に、コーチに正面からトスを上げてもらってのティーバッティングを行う。最後に、トラジェクトアークという、指定した投手の投球を再現できる打撃マシンを使って打撃練習をする。その間は、ブラストという装置をバットのグリップエンドに装着し、スイングの速度や角度などを計測しながらスイングしている。
●近年の野球ではOPSが重要視されている。OPSとは、打撃指標数(On Plus Slugging)の略で、「出塁率+長打率」によって、選手がチームの得点にどれくらい貢献できているかを数字で表したもの。出塁率=(安打数+四死球数)÷(打数+四死球数+犠飛数)、長打率=塁打数÷打数。因みに、2024年シーズンの大谷の出塁率=リーグ1位、長打率=リーグ1位、OPS=リーグ1位。
●大谷の名言
▶先入観は可能を不可能にする。
▶人生が夢をつくるんじゃない。夢が人生をつくるんだ。
▶成功するとか失敗するとかは僕には関係ない。それをやってみることのほうが大事。
▶悔しい経験がないと、うれしい経験もない。
▶憧れるのはやめましょう。今日トップになるために来たので。