榎戸誠の情熱的読書のすすめ -3つの読書論・ことばのオアシス・国語力常識クイズ(一問一答!)-

旧家に所蔵されていた横溝正史の幻の作品『雪割草』を盗んだのは誰か・・・【情熱的読書人間のないしょ話(4008)】

【読書の森 2026年3月2日号】 情熱的読書人間のないしょ話(4008)

我が家の庭の片隅で、ビオラ(写真2)が咲き始めました。餌台の常連のシジュウカラ(写真3)、メジロ(写真4~11)たち。

閑話休題、『ビブリア古書堂の事件手帖(Ⅱ)――扉子と空白の時』(三上延著、メディアワークス文庫』では、横溝正史的なおどろおどろしい家族環境の中で事件が発生します。

旧男爵の上島家の一族の井浦清美から、盗まれた横溝の幻の作品『雪割草』を取り返して欲しいという依頼を、ビブリア古書堂の篠川栞子が受けたのです。

双子でありながら犬猿の仲の上島春子が、姉の井浦初子(清美の母)に盗まれたと主張しているというのです。

「第1話 横溝正史『雪割草』Ⅰ」では、古書に関する豊富な知識と、シャーロック・ホームズ張りの推理力を有する栞子が、この謎解きに挑戦するのだが、「第3話 横溝正史『雪割草』Ⅱ」では、さらなる真実が明かされるという凝った仕掛けが施されています。

全篇を通じて、先輩作家の横溝に対する敬意が払われていて、好感が持てます。