青年と哲人が語り合うアドラー心理学のポイント・・・【情熱的読書人間のないしょ話(717)】
散策中、一本の木から桃色と白い花を咲かせているハナモモを見かけ、写真を撮っていたところ、この家の女性から「こちらからのほうが綺麗に撮れますよ」と声をかけられました。苗木をもらえたこともですが、こういう会話を楽しめるのが散策のいいところです。濃桃色の花をびっしりと付けたハナモモもあります。一本の木に桃色と白い花が付いている枝垂れのハナモモにも出会いました。因みに、本日の歩数は12,362でした。
閑話休題、アルフレッド・アドラーの心理学を知りたい、学びたいという人にとって一番分かり易い本は、『嫌われる勇気――自己啓発の源流「アドラー」の教え』(岸見一郎・古賀史健著、ダイヤモンド社)と言えるでしょう。アドラー心理学のポイントが、青年と哲人の対話篇という形で示されているからです。
●あくまでも、「人は変われる」を前提に考えよ。●変わることの第一歩は、知ることにあります。●いまのあなたが不幸なのは自らの手で「不幸であること」を選んだからなのです。●アドラー心理学は、勇気の心理学です。あなたが不幸なのは、過去や環境のせいではありません。ましてや能力が足りないのでもない。あなたには、ただ「勇気」が足りない。いうなれば「幸せになる勇気」が足りていないのです。
●アドラーの目的論は「これまでの人生になにがあったとしても、今後の人生をどう生きるかについてなんの影響もない」といっているのです。●あなたの「目的」は、「他者との関係のなかで傷つかないこと」なのです。あなたが他者から嫌われ、対人関係のなかで傷つくことを過剰に恐れているからなのです。●アドラーは「人間の悩みは、すべて対人関係の悩みである」とまで断言しているのです。
●いまの自分よりも前に進もうとすることにこそ、価値があるのです。●アドラー心理学とは、他者を変えるための心理学ではなく、自分が変わるための心理学です。他者が変わるのを待つのではなく、そして状況が変わるのを待つのではなく、あなたが最初の一歩を踏み出すのです。●アドラー心理学では、他者から承認を求めることを否定します。●他者の期待など、満たす必要はないのです。●他者からの承認を求め、他者からの評価ばかりを気にしていると、最終的には他者の人生を生きることになります。●他者の評価を気にかけず、他者から嫌われることを恐れず、承認されないかもしれないというコストを支払わないかぎり、自分の生き方を貫くことはできない。つまり、自由になれないのです。
●横の関係に基づく援助のことを、アドラー心理学では「勇気づけ」と呼んでいます。●人は、自分には価値があると思えたときにだけ、勇気を持てる。●人は「わたしは共同体にとって有益なのだ」と思えたときにこそ、自らの価値を実感できる。
●「変えられるもの」と「変えられないもの」を見極めるのです。●神よ、願わくばわたしに、変えられることのできない物事を受け入れる落ち着きと、変えることのできる物事を変える勇気と、その違いを常に見分ける知恵とをさずけたまえ(ニーバーの祈り)。●「いま、ここ」を真剣に生きること。
アドラーの「すべての悩みは、対人関係の悩みである」、「人はいまこの瞬間から変われるし、幸福になることができる」、「問題は能力ではなく、勇気なのだ」という教えがすっと頭に入ってくる一冊です。