榎戸誠の情熱的読書のすすめ -3つの読書論・ことばのオアシス・国語力常識クイズ(一問一答!)-

人々の行動を変えることで問題解決を図る「仕掛け」の実例集・・・【情熱的読書人間のないしょ話(778)】

【amazon 『仕掛学』 カスタマーレビュー 2017年6月12日】 情熱的読書人間のないしょ話(778)

散策中に、セアカツノカメムシを見つけました。アゲハチョウが飛び回っています。ホオジロが盛んに囀っています。違う場所で、カワラヒワも負けじと囀っています。我が家の庭の片隅で赤いユリが咲き始めました。仰向けになったゲンジボタルが発光しています。因みに、本日の歩数は10,326でした。

閑話休題、『仕掛㈻――人を動かすアイデアのつくり方』(松村真宏著、東洋経済新報社)は、「仕掛けの基本」「仕掛けの仕組み」「仕掛けの発想法」の3章で構成されています。
  
著者は、人が行動を変えるきっかけになるものを「仕掛け」と呼んでいます。

本書は仕掛けの実例集という趣がありますが、その仕掛けについての考え方には、興味深いものがあります。「仕掛けは装置によって問題解決をはかるのではなく、人々の行動を変えることで問題解決をはかる。この発想の転換が仕掛けの肝であり、装置中心アプローチの視点を行動中心アプローチの視点に変えることで新しいアプローチが見えてくる」。

「アメリカのNASAは、宇宙飛行士を最初に宇宙に送り込んだとき、無重力状態ではボールペンが書けないことを発見した。この問題に対処するために、NASAの科学者たちはこの問題に立ち向かうべく、10年の歳月と120億ドルの開発費をかけて、無重力でも上下逆にしても水の中でもどんな表面にでも氷点下でも摂氏300度でも書けるポールペンを開発した。 一方ロシアは鉛筆を使った」。仕掛けを作る際には、仕掛けそのものに囚われて本質を見失っていないかに留意すべきだと忠告しているのです。