榎戸誠の情熱的読書のすすめ -3つの読書論・ことばのオアシス・国語力常識クイズ(一問一答!)-

いくつになっても、人生は生き直すことができる・・・【山椒読書論(751)】

【読書クラブ 本好きですか? 2022年10月9日号】 山椒読書論(751)

コミックス『黄昏流星群(67)――酒米一番星』(弘兼憲史著、小学館)に収められている「酒米一番星」は、福岡で農場を営む56歳の男と、東京で夢破れて30年ぶりに帰郷した47歳の女が再開する物語である。

黒岩敬三は、喝采酒造が行う酒米・山田錦のコンテストで日本一になり、賞金3千万円を獲得すべく、誰も思いつかないような、栽培法のさまざまな工夫を重ねていく。再会後の紆余曲折を経て、敬三が稲の生育状況を見ているところに、突然、野田愛子が現れる。二人の間は・・・。コンテストの結果は・・・。

いくつになっても、人生は生き直すことができる――と思わせてくれる印象的な作品である。