戦国大名の全てが丸分かりの絵事典・・・【情熱的読書人間のないしょ話(777)】
東京・杉並の善福寺池を巡る散歩会に参加しました。善福寺池の住人(?)であるニホンスッポン、ニホンイシガメ、クサガメ、カワウに出会うことができました。市杵嶋神社では善福弁才天が祀られています。善福寺稲荷神社、井草八幡宮、浅間神社は、それぞれ趣があります。貞享2(1685)年の銘がある青面金剛像、享保14(1729)年の銘がある江戸向き地蔵が鎮座しています。前夜は、赤みを帯びたストロベリー・ムーンでした。因みに、本日の歩数は19,718でした。
閑話休題、『戦国の合戦と武将の絵事典』(小和田哲男監修、高橋伸幸著、成美堂出版)は、実に楽しい絵事典です。戦国大名の戦略・内政・外交・生活・城・武器・合戦などが豊富なイラスト・図解で分かり易く説明されているからです。
北条早雲が最初の戦国大名となり、戦国時代の幕が開いてから、関ヶ原の戦いに勝利した徳川家康が天下を掌握するまでが描かれていますが、至れり尽くせりの感があります。
「戦国大名の戦略」の項では、小大名の戦略にも言及されています。「しかし、小大名になると、独力で他国に侵攻することや生き残りを図ることはリスクが大きすぎるため、より強力な力を持つ大名への臣従戦略がとられる。自領を守れないと判断した時は、藤堂高虎のように主君を何度も替えることは普通のことだった」。浅井長政から徳川家康まで7度も主君を替えた藤堂高虎の事例が図解されています。
庶民への目配りもなされています。「戦国大名の収入源」の項では、略奪品・人身売買も取り上げられています。「戦利品が女・子供の場合は、売り払ったり、奴隷にした。当時の人身売買の相場は、2貫(約30万円)であったが、大量に乱取り(略奪)が行われたときは、25文(約4000円)に急落したとされる。ルイス・フロイスの『日本史』の中に、島津氏と大友氏との耳川の戦い後の乱取りについて記述がある。『薩摩軍がおびただしい数の人質、とりわけ婦人・少年・少女たちを拉致した。捕虜となった人々は、薩摩や肥後に連行された後、羊の群のように、市場を歩かされ、売られていった』」。
「軍の指揮官」の項では、総大将の下に侍大将が置かれ、その下の足軽大将、弓大将、騎馬大将、鉄砲大将、槍大将それぞれが率いる部隊を統率したことが図で示されています。
「戦国大名の身長比較」は、推定ではありますが、興味深いものです。藤堂高虎188cm、前田利家182cm、長宗我部元親180cm、織田信長170cm、武田信玄162cm、加藤清正159.4cm、伊達政宗160cm、上杉謙信156~160cm、徳川家康159cm、豊臣秀吉154cmとされています。その他、宮本武蔵182cm、千利休180cm、淀殿168cm、山本勘助150cmも掲載されています。
手元に置き、折に触れて、楽しみたい一冊です。