静寂、荘厳、清浄、幽玄――永平寺の春夏秋冬の写真集・・・【情熱的読書人間のないしょ話(2012)】
【amazon 『永平寺の四季』 カスタマーレビュー 2020年10月17日】
情熱的読書人間のないしょ話(2012)
シルエットなので分かり難いが、我が家のモクレンにやって来たシジュウカラが昆虫の大きな幼虫(芋虫)を咥えています。小さなカタツムリたちが塀に張り付いています。
閑話休題、『永平寺の四季――落井俊一写真集(新版)』(落井俊一著、東方出版)は、心に沁みる写真集です。
人物が写り込んでいるのは5枚だけで、落井俊一は、ひたすら永平寺の自然に向き合っています。
「雪の朝(唐門、1月下旬)」、「陽光に立つ(愛宕山口、4月中旬)」、「夕照(観音納経塔、5月上旬)」、「静寂(僧堂外食、7月中旬)」、「凛として(法堂、5月上旬)」、「苔(参道、8月下旬)」、「木漏れ日(寂光苑、6月中旬)」、「鎮座(寂光苑、6月中旬)」、「経蔵への石段(経蔵、7月下旬)」、「暖(浴室、7月下旬)」、「荘厳(山門、10月下旬)」、「朝陽射すとき(寂光苑、11月上旬)」、「早朝の永平寺川(寂光苑、11月上旬)」、「色づく頃(法堂、10月下旬)」、「落葉の参道(愛宕山、11月下旬)」、「山懐にいだかれ(愛宕山より、11月下旬)」、「愛宕観音堂(愛宕山、11月下旬)」、「冬の朝(祠堂殿、1月下旬)」、「厳粛(法堂、12月下旬)」、「雪の参道(愛宕山、2月下旬)」などから、凛とした静寂、歴史を感じさせる荘厳、心が洗われるような清浄、深山幽谷の幽玄――が、ひしひしと伝わってきます。
修行する雲水の仲間に加わったかのような錯覚を覚えました。