榎戸誠の情熱的読書のすすめ -3つの読書論・ことばのオアシス・国語力常識クイズ(一問一答!)-

生徒たちのさまざまな悩みの相談に乗る「人生先生」と呼ばれている高校の校務員・・・【情熱的読書人間のないしょ話(3206)】

【月に3冊以上は本を読む読書好きが集う会 2024年1月26日号】 情熱的読書人間のないしょ話(3206)

タヒバリ(写真1~3)の10羽ほどの群れに出くわしました。イカルチドリ(写真4、5)、ムクドリ(写真6)、アオサギとコサギ(写真7の左がアオサギ)、アオサギとダイサギ(写真8の右がアオサギ)、ダイサギ(写真9)をカメラに収めました。

閑話休題、『17歳のビオトープ』(清水晴木著、幻冬舎)は、生徒たちから「人生先生」と呼ばれている高校の校務員が生徒たちのさまざまな悩みの相談に乗るという形で物語が展開されていきます。

人生先生が、「恋と愛の違い」、「運とかガチャとか」、「不幸せになる方法」、「生きる意味って」といった生徒たちの悩みにどうアドバイスするのか興味津々で読む進むうちに、人生とは何かを考えさせられる青春小説です。

人生先生は生徒たちに呼びかけて校内にビオトープをつくるのだが、この作業のプロセスは私のようなビオトープ好きには大変勉強になりました。

「確かに人生先生は、この奏杜高校の先生ではない。――校務員である。授業や担任のクラスを持つことはなく、普段は清掃や管理など、この学校の環境を整備することに従事しているのだ。それでも人生先生と呼ばれているのには理由があった。人生先生は以前から、生徒の色んな相談に乗っていて、他の先生は言わないようなアドバイスをしてくれたり、問題を解決してくれたりすることがあるため、いつの間にか先生と呼ばれるようになっていたのだ。平(たいら)人生というチャーミングな名前も関係したのかもしれない。みんな親しみを込めて人生先生と呼んでいる節があった。そして私も、今日は昼休みを使って恋愛相談に来ていたのだ」。